『ライフヒストリー』　テーマは「食事」（みかこ4回目）

昔付き合っていたカノジョと同じ職場で、「お弁当交換」という可愛らしいことをしてた時期がある。けれど、私が作ったお弁当を彼女は残し(不味かったのだと思う;)、すごーく気まずくなり、その後、2度と「お弁当」は交換されることはなかった。

食についての「みかこ」のライフヒストリー4回目。前回に引き続いて、今回も少し泣ける話。今回のアイテムは「お茶漬け」。やっぱり食べ物というのは映像喚起力あります。しかも、切ない思い出ばかりが浮かび上がってきますね〜。(Arashi)

●みかこのライフヒストリー「食事」　＜前へ　 1　2　3　4　5　次へ＞

◆カノジョとお弁当
またカノジョの家に遊びに行って食事をご馳走（ちそう）になったこともあった。家族はとても良くしてくれたのだけれど、なぜか申し訳なく、居づらく、そして私たちは気まずくなった。

そのカノジョに水族館に行こうと誘われときのこと。手作り弁当を彼女は持参した。私は、驚きすぎて、彼女との会話もままならず、お弁当を美味しそうに食べることもできなかった。

そんなカノジョと食べたいくつかの食事はどれも、今となっては、よい思い出といえないけれど、一つだけ泣きそうになるくらいうれしくなった思い出がある。

ある雨降る深夜、私が自転車で40分ほどかけて、彼女の家に行ったとき、彼女は「お茶漬け」を作ってくれた。ご飯をお湯で洗って、茶碗も温めて、とっても丁寧に作られた「お茶漬け」。めちゃめちゃ感動し、泣きそうになっている私に、「どうしたの？」と言う彼女。愛（いと）しくて抱きしめたら、彼女はキスをしてくれた。「冷めちゃうから、食べなよ」という彼女の言葉に私はさらに感動した。隣の部屋で彼女の家族が寝てることに少しドキドキしながら、「雨の音がいいな〜」なんて思いながら。そんな思い出。
（みかこ）〜【続く】