「『レズビアン』、その五文字」〜ライフヒストリー(みかこ3回目)〜
15歳くらいのとき、そんなことをいつも考えていた。いつものようにお風呂に入って、名無しの権兵衛である自分について考えていたとき、私はひらめいた!
「私の性的指向は、岩本実加子だ!」と。
レズビアンでもなく、バイセクシャルでもない
「私は岩本実加子だ」と。
そう思った瞬間、私は狂喜した。と同時に思った。
「それになんの意味があるのか?」と。
自分のセクシュアリティを「岩本実加子」とすることになんの意味があるのか????と。
みかこさんの、ライフヒストリー『ひらめく発掘〜同性愛者だと気づいたとき〜』の最終回です。
そこからは、なだれのように激しくではなく、スノーボーダーのようにでもなく、かまくらでもなく、ただ持っていた雪のボールをコロコロコロコロ転がしたら、雪だるまになっちゃったかのように、それまでも、とても魅力的に感じていた「レズビアン」という言葉を自分に「名づけ」た。
(「レズビアン」という言葉の何が魅力的だったのか。それを説明するのは難しい。初めて会ったレズビアンたちが魅力的だったのは確かだけれども、それだけでもない。店でぬいぐるみ=レズビアンを見つけて、それをなぜ買うのか?という感覚にも似ている。要は私は「レズビアン」が大好きだと認めることができたから、魅力的だと感じたのかもしれない。そして大好きで魅力を感じるものに自分もなりたいと。)
それと同時に初めて自分が「女である」ということも否定的にではなく受け入れ、また女であることはレズビアンであることだから、それは超嬉しいと思うまでになった。
そして、自分がどれだけ「レズビアン」という言葉を求めていたかを自分の喜びで思い知る日々が始まる。
(みかこ)
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