「なぜ自分が?」〜ライフヒストリー(しんご4回目)〜
「自分のこといを考えた方がよい」
彼女の一言が、蓋をしてきたことに、つながる鍵になった。
それまでの僕にとって「ゲイ」という言葉は、ネットで男の裸を見つけるため便利な検索キーワードにすぎなかったが、それも男性同性愛者に変わった。
しんごさんの、ライフヒストリー『現実を掴む瞬間〜同性愛者だと気づいたとき〜』の最終回です。
そして生徒会の副会長のことが「好き」なことも分かった。
絶望だった。
そして、「ゲイ」と気づいてしまったことで、副会長との関係も変わった。
「ごめんなさい」と何度も何度も泣きながら彼にカミングアウトした。
さして、「僕はキミのことが好きだ。ごめんなさい」と付け加えた。
彼は、僕を受け入れる態度だったが、これで自分と彼の関係は逆になった。
そのときは安心したけれど、それは受け入れてもらえてよかったという、とても消極的なものだった。
彼の体に触れたいという欲望はどんどん強くなった。
さらにその気持ちに罪悪感が加わった。
ゲイであることを、受け入れることができなかった。
(しんご)