秘密の花園(6/6)
紫帆を執拗(しつよう)に追いかけるめぐみに、私は、
「めぐみは、私と同じレズビアンなのかもしれない」
という気持ちを抱いた。
あのとき、めぐみの悩みを親身になって聞く「いい人」を演じるのではなく、もっと違う応対をめぐみにしていたら?
もしかしたら、私はさらにセクシュアリティに悩むハメになっていたかもしれない。
あるいは、もっと吹っ切れたかも。そんなことは、今更考えてみても仕方がないけれど……。
●秘密の花園(智子)
―――学校生活をテーマにした智子さんさんのレズビアン・ライフヒストリーの最終話です。最終話では、現在の視点から当時の「四角関係」を冷静に振り返っている智子さんがいます。
秘密の花園(6/6)〜「スクールデイズ」(智子)
けれども、めぐみは、後に、結婚した。
高校を卒業して、短大に行ってからは男性とつきあっている、と聞いたので、
結局、あのときセクシュアリティのことを相談しても、
同じような感じ方に共感して話し合うことはできなかったのだろう。
一方、紫帆とは卒業後も連絡をとりあった。
紫帆からの手紙の中で、「キレイな女性に惹かれる、自分にとまどっている」というような話があった。
私は、悩んでいるようならばOMだけでも来ないかと、
誘ってもみたが「自分とは違う気がする」と言われてしまった。
それ以上はこちらも言えなかったので、
しばらく、カムアウトした上での友人として話を聞いてもらっていた。
あの高校での「四角関係」は何だったのか?
今となっては、ナゾ深まるばかりだ。
ただ、同じような話はよくあるのではないか?と思う。
高校時代の恋愛(?)に関係するこの話のことを、
あとの3人(紫帆、めぐみ、玲子)はまったく覚えていないかもしれない。それなら、私の心の中にそっと、閉まっておこうと思う。
(智子)【終わり】 ●秘密の花園(智子)
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