「他にも買う人がいる」〜決定的な情報と出会うまで(2/4)
14歳で同級生の男子が好きだということに気づいてから、16歳になっていた。
そのころは、中学を卒業して、専門学校に通っていた。
そんなある日。
地元の小さな書店で、初めて「男同士のセックス」を意識させられるような情報に出会った。
―――「同性愛についての情報に出会うまで」というテーマの「正和」さんのライフヒストリー2回目。今回の舞台の推定年号は1989年です。(Arashi)
●同性愛の情報に出会うまで(正和)
その本は、街の奇妙な看板など読者から写真を投稿してもらう、某人気ムック・シリーズで、その中に、ゲイ・ポルノのビデオ広告の写真が一葉、投稿されていた。
その写真をページの中に、見つけた時の衝撃はかなりのものだった。
正直「欲しい……。(もちろんビデオの方を)」と思ったけれど、入手方法については、本のどこにも書いていなかったから、それ以上どうすることもできなかった。
ただ、この世の中には、こういうものも売られていて、それを買う人が確かに存在している。そのことだけは、はっきりとわかった。
けれども、そのこと以外、何も情報が得られないまま、しばらく時が過ぎていった。
(正和)【続く】