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レズビアン&ゲイライフをサポートするNPO法人アカーのWEBマガジン。編集部:「ふじべ・あらし」がお伝えしています。

煙のように待ちながら〜『ヴォイス・オブ・ヘドウィグ』観賞記(藻ちん)

煙のように待ちながら〜『ヴォイス・オブ・ヘドウィグ』観賞記(藻ちん)

ヴォイス・オブ・ヘドウィグ [DVD]

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去年の10月に事務所の方数名と『ヴォイス・オブ・ヘドウィグ』を見に行きました。ニューヨークにはレズビアン&ゲイのために設立された高校があるという。さすが自由の国アメリカだ。

自分が学生だった時なんかは、面白いことも嫌なこともこれといってなく、ただただ一日が終わるのを煙のように待っていた中高時代だった。イメージするなら、ドラゴンボールに出てくる「精神と時の部屋」みたいな(笑)


だから、その間で話せるエピソードとかがあまりなくて、テレビのトーク番組に出演してる芸人やアイドルなんかが学生の時の話を湯水のように話しているのを見ると、「ああ、やっぱり自分は何かに抑圧されていたのかも」と今更ながらに気づかされる。



f:id:QMblog:20080216145224j:image もし自分がこの同性愛者が通える高校に通っていたならきっと、色めく、薔薇(ばら)めく、堪能の、楽しい学生時代を送れていたに違いない。しかし、最終的に働くとなるとノンケの世界に戻るわけだから、その時点で耐性をつけておくためにも通常の学校生活を体験するのも重要と思える。卒業後の進路にも影響が大きそうだし。ただ、この高校に通う生徒のインタビューを聞くと、自分のやりたいことや目標に向かって突き進んでいく姿が羨(うらや)ましく眩(まぶ)しかった!


アメリカの内情はよく分からないけど、「ゲイの高校」と聞くとそれだけで認知度が高いと考えてしまうが、そのような場所の需要があるほど一般社会での異性愛者と同性愛者の融和が進んでいるのかもしれないと思った。

(藻ちん)

「藻ちん」さんの感想でした。私Arashiは、02月04日のDVD発売記念の上映会に数名で参加してきました。

藻ちんさんが、その気分を上手に表現しているように、「煙のように待ちながら」学生時代がジリジリと、ゲイとしては何の事件も起こらずに過ぎさっていった、そんな同性愛者もいれば、「オカマ、オカマ」と罵(ののし)られ続けて、教室にも家の中にも、居場所がなかった、という経験を持つゲイも、合衆国にも、日本にも等しくたくさん存在するわけでして。


ただニューヨークには、彼らが「自然」でいることのできる場所を勝ち取らないといけないヒリヒリするような現実とそのための戦いがある。そして勝ち取られた場所を守り、サポートし、維持していくために働いているすべての人たちの仕事に対して、私は最大限の敬意を感じないではいられません。

そこを素通りにして、上から目線で評論してはいけないな、と『ヴォイス・オブ・ヘドウィグ』を観て思いました。


とは言っても、『ヴォイス・オブ・ヘドウィグ』を観て個人的に面白かった点を2点

  • 映画を観たゲイ&レズビアンユースたちと話してみて、仮に日本にこういう学校があっても通いたくない、という感想が多かったこと。どうしてだろう?(あくまで、直に話した体験談ですが)
  • 世界のヨーコ・オノの描かれ方が面白かった。成熟する年齢なのに、永遠のお嬢様みたいな彼女の振る舞いは、ちょっとおかしかった。「ファンです」と周りの出演者は言っていたけど、実は、おちょくっていた??と思ってしまった私は性格が悪いかも、と反省。(Arashi)


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