120名の高校1年生に「同性愛の基礎知識」をスピーチ〜
120名の高校1年生に「同性愛の基礎知識」をスピーチ
2月7日に、当会メンバーの宮近敬三さんと、岩本実加子さんが120名の高校生たちを前に、同性愛について講演してきました。
大東学園高等学校の「性と生」の授業で、「同性愛から見た性の基礎知識」というタイトルでスピーチをしてきた宮近さんにレポートをお願いしました。今年の生徒さんは、これまでと一味違っていたそうですよ(Arashi)。
わたしたちのグループが、大東学園の「性と生」の講義で講演するのはなんと今年で8回目(!)。
私は、昨年に続いて2回目のスピーカーです。
毎年毎年、生徒の関心や反応は全く違うそうです。
今年の高校一年生は、ダイレクトな反応で、元気のよい人たちが多かったかな、と思います。
話している最中に「えー分かんない!」ときちんとリアクションしてもらったり、笑いどころにはきちんと笑ってくれたり。聞き手の気持ちが良く伝わってきて、どうやって話したらよく伝わるのかを考えながらお話しやすかった半面、「つまんない…」というリアクションの箇所では、心の中で「怖い・・・」と冷や汗。
講演では、「性的指向を考える方程式」という数字を使ったゲームを行いました。自分の性別と、好きな気持ちが向かう/恋愛感情を抱く対象を数字で表して、足し算をすると、自らの「性的指向」が明らかになるというもの。
講演前の先生とのやり取りで、今年の生徒さんの傾向として、「『リアルなもの』、『露骨なもの』には抵抗があるよう。レズビアン、ゲイのことを、どちらかというと『2次元の世界』を通じて物事を捉えているので・・・」というお話。それなら、数字を使って考えてもらおう、ということに取り組んでみました。
実際、方程式は好評で、さらに先生方にも参加してもらい、皆で楽しみながらやりました。
1時間という講演時間内に、同性愛について多くを語ることはできません。
そこで今回は、以下のことに重点をおいて話しました。
講演後は、たくさんの女子生徒にとり囲まれての、質問コーナーとなりました。
気がついたら、30分以上も経ってました。
- 「いま好きな同性や、付き合っている人はいますか?」
- 「レズビアン&ゲイの人たちは、どこで出会うんですか?」
- 「アカーの活動は大変ですか?」
こういう質問は、毎年よくある質問です。
しかし、今年は特に、こんな意見も。
- 「私の友だちに、レズビアン(ゲイ)がいます!」
- 「女の子に告(コク)られたことある!」(ある女生徒さんからの質問)
- 「もしかしたら、自分はバイセクシャルかもしれない・・・。」
などなど。
15、6歳の高校生たちにとって、「同性愛」がだいぶ身近なテーマになりつつことに改めて驚きました。
「レズビアン、ゲイの友人」は、その生徒さんとは、「同じ学校の友だちではない」という答えだったので、
「どんなところで知り合ったのか?」ということを聞いてみたところ、
- 「ネットで知り合った」
- 「バイト先のひと」
とのことでした。
行動範囲やネットワークの広さに、驚きもしました。
ただし「レズビアンやゲイの友人がいる」と答えてくれた上記の生徒さんも、
「同性愛と性同一性障害が同じだと思ってたから、今日の話が聞けてよかった」という答え。ネットワークや経験の多さに比べ、正確な情報を得る機会がまだまだ足りていない、
ということを実感した講演でもありました。(みやちか・けいぞう)