「孤独&孤立」〜ライフヒストリー(みかこ3回目)
私は8歳から11歳まで同年代の子たちと殆ど遊んだことがなかった。
遊ぶ必要は感じていたけど、実際に遊んでも、つまらないから
「誰かと遊べたらいいなぁ」くらいしか思っていなかった。
レズビアン・ユース「みかこ」さんの「友だち」をテーマにしたライフヒストリー3回目です。
私は「友達」ではなく「遊び相手」を求めていた。
犬を飼いはじめたとき、「つまんないなぁ」というその感情は、まったくなくなった。
なくなったけれども、今度は、今までとは違う別の感情が出てきた。
「淋しい」。
その淋しさは、11歳の時に通うようになったフリースクールに行けば行くほど強くなった。
「私は一人だ」
「天涯孤独だ」
「みんな残酷だ」
私はその時点では、誰かに手ひどく裏切られた経験もなかったし、
そもそも誰か友達がいた訳でもなかった。
ただ自分は「物凄く孤独なんだ」
と自覚し始めただけだったんだと思う。
そして、それを人のせいにした。
「おまえらが悪い」そうはっきり言ったことはなかったけど、
近づく人全員を追い払い、
それでも近づいてくる人はメッタ刺し。
なのに「自分は、孤独だ」と泣く。
いま考えると、面白いくらいに馬鹿だったなと思う。
当時の私は「友達」という言葉を理解できないでいた。
正確には友達という「関係」を理解できないでいた。
いったい友達とは誰なんだろう?
どういう関係の人をいうんだろう?
わからないから、私は「友だち」というその言葉を使わなかった。
人から「一緒にいるのは、みかこちゃんのお友達?」と聞かれると
「いいえ、知り合いです」と答え、
「どんなお友達がいるの?」と聞かれると
「友達はいません」と答え、
「淋しくないの?」と聞かれると、
「淋しくないです。顔見知りの知り合いは、何人かいますから」
と答える。
そんな13歳だった。
(みかこ)〜【続く】〜