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レズビアン&ゲイライフをサポートするNPO法人アカーのWEBマガジン。編集部:「ふじべ・あらし」がお伝えしています。

同性愛者の赤ちゃん??コメント

▼同性愛者の赤ちゃん?? イタリアで論争

http://d.hatena.ne.jp/QMblog/20071102/1193993786
について、ウの目担当のYanagihashiさんのコメントです。

キャンティの飲みすぎで

「いかれた」ポスターがトスカーナ州全土に貼られてしまった、のだろうか。



などと
大げさな前振りをするほどのことでもないのでは、と思いつつ、
ここは、トスカーナ州を褒めておこう。


これは、まぁ、行政府が、
「私たちの自治体では同性愛差別はしません」、
という宣言だから、


少数派の人権保障に関わる問題に公的機関が積極的役割を果たすことは必ずしも悪いことではない(少なくともオウム真理教の信者の住民登録を拒絶する自治体よりはましだ)。


「悪趣味」との批判もあるようだが(リストバンドにピンクトライアングルが書かれていれば、悪趣味というか同性愛差別の苦い記憶を呼び起こす場合もあるかもしれないが)、

イタリアの場合、同性婚をはじめとする具体的政治課題が論争の的になっているのだから、このくらいの刺激は、むしろ論争を更に活発にするために意図的に考えられたものだろう

(「いってらっしゃいエイズに気をつけて」というフレーズのエイズキャンペーンポスターが、あまり考えなしにかつて作られたことがあるが、それほどお間抜けではない)。


報じられているように、イタリアで、このポスターをめぐって活発な論争が交わされているのならば、当局としては、してやったりであろう

(論争というより人種差別と非難囂々だったSONYのプレステの広告…オランダだったかな…とはレベルが違うような気が)。

まぁ、ウフィツィ美術館に飾るほどの価値があるポスターかという観点から論争するならば、ダ・ヴィンチやミケ・ランジェロと並べるほどではないだろうから、美的センスが許さないという意見は十分あるだろう(ないか)。


性的指向は選択できるか否かという問題は、イタリアでは、政治的課題を議論するうえで重要な論点の一つになっているのであろうから、このポスターがその点を取り上げたのも別におかしなことではないだろう(インテリジェント・デザインほどあざとい議論ではないように思うが)。


むしろ、このキャッチフレーズは、「トスカーナ州は同性愛者としての生活を選択することを邪魔しません。
実質的にその選択ができないような構造的差別があるならば、州はそれに反対します」

という宣言なのだと、私は好意的に解釈しておきたい。


そして、願わくば、論争の結果、イタリアの世論がピサの斜塔ほどに親同性愛的方向に傾かんことを。

(Yanagihashi)

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