ゲイバーでのワークショップについて国際エイズ会議で発表
国際エイズ会議に参加することの意義とは、国内で私たちが行ってきたエイズ/HIVの分野での仕事や経験について発表するチャンスを得ることで、他の国で同じようにゲイや同性愛者に向けたHIV/エイズの活動に従事する皆さんとの意見交換やネットワーキングができる、ということにあると思います。
インドネシア・バリ島で開催された第8回アジア太平洋地域エイズ国際会議で、今回、私(藤部荒術)が会を代表して発表したのは、全国各地のゲイバーでのワークショップイベント『ライフガード』の実践についてでした。アカーが2001年から8年間に渡って続けていて、そして、今年の冬に予定されている大切なプログラムのことです。
8月11日。"Men Having Sex With Men:Cultural and Social Dynamics"(「MSM:文化的、社会的なダイナミクス」)というセッションの中で、私は、インドネシアやミャンマーなどで、ゲイに向けたHIV/エイズ予防活動やケア活動をしている方たちと共に口頭演題の発表とディスカッションを行いました。
各国からの発表が一通り終ったところで、いきなりフロアから「同性愛はチョイス(選択)だと思いますか?それとも、先天的で自然なことだと考えますか?」という質問が飛び出すというハプニング(?)も…。しかし、100人以上入っていた会場の熱意に、そんな場違いな質問もすぐにかき消されてしまったのでした。
私の発表は、当会が主催するゲイ向けのエイズ予防のワークショップ『ライフガード』についてのもの。
(演題名は“LIFEGUARD: Its Effectiveness of the Workshop-style HIV Prevention Program at Gay Bars in Japan”、訳すと『ライフガード−日本のゲイバーでのワークショップスタイルのHIV予防プログラムの有効性、といった感じでしょうか?)。ライフガードの独自性や工夫点と、私たちが考えることについて紹介しました。
発表後、チェンマイや上海、香港、台北、マニラなどで、ゲイのための活動をしているNGOワーカーたちが、ライフガードに興味を持ってくださってアプローチしてきました。発表の機会が、それぞれの国で、各自がある意味、地道に行っている仕事の意味をこうやって、確認しあえる場なんだな、と改めて感じた瞬間でした。
最後の写真は、発表前日の写真。現地で落ち合ったOさんに、会議場隣のホテルで、発表スライドの最終チェックをお願いしているところ。少々緊張気味です。