両親へのカミングアウト(第2回)
●両親へ〜カミングアウト・プロセス(帝)
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最初は、本題については口頭で、
後に手紙や書籍などを渡そうと考えてましたが、
その場で、「どうして?」、「いつから?」、「そうは言っても、」といった反応や、
ホモフォビア的感情を表される事は十分考えられる訳であり。
結局、両親の性格と照らし合わせて選択したのは、「かなり説明型」。
事前に、カム+親の疑問に答えられるような内容の文面を用意し、
それを横に置き、話が本筋から外れないよう確認しつつ話をしました。
口頭でなんて思ってても、
いやいや、緊張する人にとっては、台本は必要です。
さながら私は、なるべく手元を見ずに話すアナウンサーのようでしたが(笑)。
内容はざっとこんな感じでした。
私が同性愛者である事実や、現在の在り方。
そして、カミングアウトの目的。
社会的な状況もふまえ、
私が家族との関係性の向上や理解を望んでいること。
私に女性のパートナーがいることや、これからについて。
同性愛者の尊厳を確立するために、
活動する個々やコミュニティの存在があること。
これ以上の事を1度に話すのは、両親を混乱させると思い、
カムの内容に直接関係のないことは、補足の手紙として、
後で読んでもらいました。
(私自身の過去、現在の性自認に至るまでとか、
セクシャルマイノリティの多種多様な在り方についての軽い説明など)
しかし、伝える量が多かった。
A4用紙にギッシリ、本題で4枚、補足の手紙で3枚分。
膨らみ過ぎて、もう渡すだけで逃げちゃえ、と思うくらい(笑)。
どんな方法でも、重大な意思を伝える時は大変ですよね。
母へカミングアウト。
そこまでは考えていても、 今回、
父へ話をする決意をした事は、自分でも驚きでした。
父とは折り合わず、便宜上の嘘と、
詮索されない距離を保った関係だったので、
話しても理解出来ないだろうし、お互い傷付くだけだと思っていたからです。
でも、なぜカムしようと思ったのか考えると、 1つには、お互いの変化があったからなのかも知れません。
私はこれまでに、自己を肯定し、己を周囲に向けられるようになった変化があり、
父は定年を機に、家庭の方を向き、以前に比べ穏やかになった、という経年変化でしょうか。
それと、 私は本当に、一生、父に理解してもらわないままでいいのか、
後悔しないか?
父は果たして、「私」を知らないままでいいのだろうか? そんな自問自答の結論もありました。
(帝/2007年12月)【続く】 ●両親へ〜カミングアウト・プロセス(帝)
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レズビアンたちのさまざまな考え方が読める「Her Point of View〜彼女の視点」のコーナー。
OMメンバーでもあるレズビアン帝(てい)さんの両親へのカミングアウトの過程をつづった連載エッセイ(全12回)の第2回です。
帝さんが、両親に自らのセクシュアリティを告げる前の心の動き
〜カミングアウトは、一体どんな風にすればいい?
どういう方法でカムアウトすればいい?〜が書かれています。
【OMブログ】に続いて、当QMブログでも掲載を許可してくださった帝(てい)さんに感謝いたします。
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