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レズビアン&ゲイライフをサポートするNPO法人アカーのWEBマガジン。編集部:「ふじべ・あらし」がお伝えしています。

日陰に生きる北京の同性愛者たち

日陰に生きる北京の同性愛者たち


笑いや涙たくさんの雨を降らし、いろいろなドラマを生み出した(?)北京オリンピックも、そろそろ閉幕ですね。一方、オリンピックに沸きたつ北京の裏側で送られるゲイライフをレポートした英語の新聞記事があったので、一部訳して紹介します。


記事に出てくる「同性愛の話題はご法度」という政府機関から通達や、1億人のゲイ人口(!)は、日本とは違うかもしれません。ただ記事で紹介されている北京のゲイライフ、どこか東京のそれとも似ているかも、という印象を受けました。みなさまの感想は、いかがでしょうか?

(インターンで事務所に来所している法政大学の古市さんに、翻訳ボラティアの協力をお願いしました。)

http://imgs.sfgate.com/c/pictures/2008/08/21/mn-oly22_gays_ph_0498982987.jpg
北京オリンピックはベンジャミン・ハンを何も変えていない。オリンピックがあっても彼はゲイで、いまだにシングルで、変わらず社会から彼の本当の性的指向を隠すことを強いられている。


国際関係の会社に勤める28歳の彼は、そのほとんどが日陰で生きる、500万から1億人に達するであろう、と言われている、中国のゲイ男性の1人である。



中国で「同性愛者」が合法になったのは、ほんの11年間前だ。2001年に、中国精神医学会が「同性愛」を精神障害のリストから外したにも関らず、当局は、同性同士の結びつきを不道徳なもの、とみなしている。


オリンピック開催の準備に伴う北京の近代化は、同性愛者にとって悪い方に働いた。急ピッチで開催に急ぐ、道路拡張と高層化の狂乱の中で、取り壊されてしまったゲイバーもいくつかあった。



「たぶん中国の他のどの都市よりも北京は、厳しいんじゃないかな」北京東部の自宅からほど近いおしゃれなバーの椅子に座って、ハンは言う。「同性愛の話題は、いまだにとっても強力なタブーなんだ。職場で同性愛のことは口にしないし、家族とも話さない。唯一、話せるのは、相手が同性愛のことを何か知っていて、本当に信頼をしていている相手のときだけなんだ。」



政府がコントロールしている中国メディアでは、時々、同性愛がほのめかされることはあっても、決してオープンにそれが論じられることはない。「同性愛の話題は取り上げるな」という中央宣伝部(propaganda department)からの書面の存在について教えてくれた、仕事上の知り合いのジャーナリストを何人か知っている、とハンは話してくれた。




ハンが生まれたのは、広州の郊外だ。彼は、中国の他の家庭と同様に一人っ子で、両親は共働きだったので、乳母が学校に連れて行ってくれた。ハンが言うには、彼の両親が、中国の他の親とは違っていたのは、子供のことを全部自分たちで決定する、ということだ。


ハンは言う「僕は、自分の力で成長したんだ。両親が、僕に関心がなかったからではなくて、ただ僕がやろうとすることを理解できなかったんだ。」



彼は、2000年に、北京理工大学で英米文学と文化を学ぶために北京にやってきた。その後1年間、イギリスで勉強している時に、彼は北京では見ることの出来なかった広い世界に目を向けることになった。



「イギリスには、北京にない選択の度合いや自由があったから、多少なりとも驚いたよ」ハンはイギリスについてそう話す。



しかし、ハンは決して、彼の両親にゲイだということを話さないし、話す予定もない。ごく少数の友達のみが本当のことを知っている。


ハンの母親は、結婚して子供を作ること迫り続けているが、彼は彼女から言い逃れを続けている。


「両親を喜ばすために、ガールフレンドを作ろうとしてみた」彼は、3年前に破局に終わった、幼馴染の女性との2年の交際について話している。「関係をさらに進めたくない、という意味で、難しかった」



ハンは、現在、仕事に集中したいから結婚したくない、と伝えている。



ゲイであることのこれらのプレッシャーにも関わらず、ハンは自分のことをラッキーだと考えている。仕事のおかげで旅行して、たくさんの人に会えるし、見識だって広く持てるからだ。大多数の中国人ゲイ、レズビアンが、パートナーを見つけるのが大変で、孤独に生きているのだ。



北京に、唯一残っているゲイクラブは、“ディスティネーション”と呼ばれる。北京朝陽廣済堂エリア東部にある、工人スタジアムの西ゲート付近の異性愛者向けナイトスポットに近いグレイのコンクリートに囲まれたブロックにある。週末の夜に、デスティネーションは、おしゃれな中国人や、企業家、オリンピックの観光客や外国人でいっぱいだ。「みんな“ディスティネーション”を“デスパレーション”(やけくそな、の意味)と呼んでいるよ」ハンが教えてくれた。



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