2008-05-17 利き腕(4/8) 【この街はおまえなんか待たない】 利き腕(4/8) 松山は、たっぷり40分遅れて店に入って来た。遅れてきた事を謝らずに、自分の酒を注文して座った。私はこの瞬間、胸の動悸(どうき)がきっと激しくなるだろうと思っていた。 第3話「利き腕」 <前へ 1 2 3 4 5 6 7 8 次へ> 松山は、酒場での4年という歳月に負けていた。すさむという感じより、ゆるんだという面差しだ。まだモテた頃の面影は残っているが、きっとあと3年程で歳月は更に残酷に松山をつくり変えるだろう。私の胸の動悸は、決して激しくなる事はなかった。 (【続く】) (逆島鉈 さかしま・なたる) 第3話「利き腕」 <前へ 1 2 3 4 5 6 7 8 次へ> ■関連記事:この街はおまえなんか待たない ・第2話:「エジプト十字架の秘密」 ・第1話:「八百万の死にざま」 ・連載にあたって: ↑面白い記事だったら1clickでQMblogを応援☆