「親」ってなんだろう?
「離婚後300日以内に生まれた子供 を前夫の子供」
と推定する民法の規定により、戸籍を持たない子供がいるということで、
「法改正をして(新法を作って)救済せよ」という意見がある。
結婚を認められていないL/Gカップルには、どうでもいい話?
まぁ、そう言わずに少しお付き合いください。
Yanagihashiさんからの投稿です。
【親は誰だ?】
■基本的に筆者は、子供の養育に責任を持つ大人が親となるべきだという考え方である。
だから、血のつながりもそれほど重視しない代わりに、
子供の養育に責任を持つつもりの無い破綻した婚姻関係にある夫を父親としないことにも反対するつもりはない。
つまり、親から見捨てられた子供を自分の子として育てたいと思い、
かつ、経済的裏づけもあるL/Gカップルには、特別養子縁組を認めるべきだし、
結婚してからレズビアンだと気づいた女性が、離婚をする前後に、
夫以外の男の精子を人工受精して、
離婚後300日以内に生まれた子供を自分と同性のパートナーの実子として育てたい
(パートナーもそれを望んでいる)ならば、
その希望をかなえる法改正に賛成することもやぶさかではない。
子供が、自らの出生に関わるアイデンティティに悩むことを気にする向きもあるかと思うが、
そうした子供が増えてくれば、自助グループも出来るだろうし、
それらに対応したカウンセリング技術も進むであろうから、
さほど心配する必要はない。【親学って必要?】
■おりしも、カナダで、
「異性カップルに育てられた子供と
同性カップルに育てられた子供も成長に違いはない」
という研究結果が出されたそうだ*1
要するに、子供が親から愛情を注がれ、
情緒豊かに伸び伸びと育つ可能性も
虐待を受け心に傷を負う可能性も
親の性的指向とは関係ないということだろう。
■政府の「教育再生会議」の寝言*2を擁護するつもりは毛頭ないが、
子の最善の利益を前提にして話をするのであれば、
子供の人権条約とも整合性のある、「親とは何か」という視点も交えて、
きちんと捉え直された親学は不必要なものではない。
■また、子供にとって親は最も身近なロールモデルでもある。
同性愛者の場合、親が最も身近なロールモデルである場合は稀有であるといえよう。
今夏の参議院議員選挙にオープン・レズビアンである尾辻かな子さんが、
民主党から比例区*3で立候補する。彼女が記者会見をしたとき、
「なぜ〈新宿〉二丁目で記者会見をするのか?」と問われて、
「ここには、ロールモデルがある」という趣旨の答えも入っていたようだが、
さて、大人のレズビアン・ゲイは、レズビアン・ゲイの子供たちに、
どのようなロールモデルを提供していくことができるのであろうか。
(Yanagihashi)