QMblog's blog

レズビアン&ゲイライフをサポートするNPO法人アカーのWEBマガジン。編集部:「ふじべ・あらし」がお伝えしています。

“真夜中のパーティー”はまだ続いているのか?

ゲイ・ムービーのパイオニア的な存在である The Boys in the Band(邦題真夜中のパーティー、監督:ウィリアム・フリードキン、製作・原作: マート・クロウリー、1970年)が、オリジナルから40年ぶりに米国でDVD化されるそうです(日本版の発売予定はどうやらないようです)。


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米国のゲイコミュニティで『真夜中のパーディー』は、同性愛者がまだ市民権を得る以前のゲイライフや、その頃のゲイの心の中を写し取った数少ない作品のひとつ、という認識があるようです。いってみれば、自分たちは、どこまで来たのか?という足場をもう一度、確認するための忘れてはいけない“原点”のような側面を持つ作品のような。そのため今回のDVD化にあたって、『真夜中のパーティー』の功罪、両方をもう一度話し合ってみよう、という動きも出ているようです。


ストーリーは、9人のゲイが集まって真夜中の誕生パーティーをするという設定。楽しいはずのパーティーが、夜が更けるにつれて、それぞれが抱えている自己嫌悪の感情もあって、互いが互いを言葉で傷つけあう、という陰鬱な展開に…。気分は、どんどんらせん状に下降していき、そして、見終わった後には、ゲイであるってことは、そんなに悪いことなの?という、なんとも言えない気分だけが残る…、というものです。


さて、私が『真夜中のパーティー』をレンタルビデオ屋で借りて観たのは、いまから10年以上も前、私が大学生の頃でした。当時、まわりのゲイの仲間たちからも、『モーリス』、『アナカン』(『アナザーカントリー』)と並んで、“やっぱりゲイ映画は暗い!”として教えてもらった中にあったので、気になって観てみたのでした。



芸術的な価値とか、耽美的な価値とは、脇においておいて、とにかく暗い! 必ずしも社会の中での実際のゲイの実生活と映画の中身が対応していた方よいとも、正反対の方がよいとも思いますが、やはり若いレズビアン、ゲイが観る同性愛を扱った映画は、前向きな物がよいと思います。



1970年から40年近く経ち、レズビアン&ゲイ映画のカタログに、前向きで明るいゲイやロマンティックな恋愛ものも、加わった現在、いまでもどこかで“真夜中のパーティー”は、開かれているのでしょうか?なんてことをふと思った「芸術の秋」の夜長でした〜。

:『真夜中のパーティー』あらすじ(エイガ.ドット.コム)

ニューヨーク、マイケルはホモセクシュアルの仲間を集め、ハロルドの誕生パーティを開く。しかしそこにマイケルの友人で、ホモではないアランが飛び入りする。アランはみんなに溶け込もうとするが、パーティは次第に険悪なムードに包まれていく。やがて彼らは愛の告白ゲームを始めるが……。オフ・ブロードウェイのヒット劇を、オリジナルキャストを起用して映画化。差別、孤独、疎外感といった人間の暗部を鋭くえぐり出す異色心理劇。(エイガ.ドット.コムより)

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