「哀しい」と感じられること
―――レズビアン、ゲイと気付いた頃の「悲しい思い」をテーマにしての正和さんのライフヒストリー1回目です。(Arashi)。
あの頃をみつめて
テーマ:「悲しい思い出」
ライフヒストリー(正和1回目) 同性愛者だと気づいてから、さまざまな場面で哀しい思いをしてきた。
けれども、気づいて間もない頃は、「哀しい」というよりは「不安」として意識していた。「不安」を「哀しみ」として感じられるようになったのは、やはり友人のことを好きだという恋愛感情を、正直に言葉や行動で示せないことがきっかけだった。
気持ちを伝えられないまま、彼の好きな女の子は誰それだ、などという話を聞く度、皆の前で「哀しみ」を表現することも許されず、ただただ誰にも見られないところで人知れず嘆いているばかりだった。
(正和)【続く】