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レズビアン&ゲイライフをサポートするNPO法人アカーのWEBマガジン。編集部:「ふじべ・あらし」がお伝えしています。

それでもボクは〜もしも(ゲイの)あなたが痴漢冤罪で捕まったら?

まずは、Yanagihashiさんの投稿から。テーマは、もしもゲイのあなたが痴漢冤罪で捕まったら ・・・。


映画『それでもボクはやっていない』では、日本の刑事裁判の現実を容赦なく提示していました。L/Gと何の関係は・・・。

【私はゲイです】

「私はゲイだから、女性に性的興味はありません」と言ってみたところで、『それでもボクはやっていない』のような(現実の)密室の取調べでは「いい加減なことを言って罪を逃れようとするのか」と一喝されるくらいならまだいい方で、「じゃあ、お前は女とやったことがないのか(童貞か)」とか「女の裸を見ても勃たないの か」とかセクハラ発言をされた上で、「そんなことを言っている内はいつまでも閉じ込めておくぞ」と脅されるかもしれない。

(幸い、日本にはソドミー法はないので、その発言で罪に問われることはないが、じゃあ男の尻は触ったことがるんだなとか言われて、新たな痴漢冤罪に巻き込まれるかもしれない)。

もしかすると、「じゃあ、お前がホモだって事を家族や職場に言って確かめてもいいんだな」と、アウティング脅迫すらされかねない。

後で、侮辱発言をした警察(官)に意趣返し(大量の爆薬とガソリンをトラックに詰めて警視庁に突っ込むとかいうことではなくても)でもしてやろうと確信犯的に挑発をするのでなければ、よほど、慎重に対処しないとかえって墓穴を掘る羽目になる可能性が大であろう。


【私はレズビアンです】

ところで、自分がゲイあるいはレズビアンであるということを証明するということは、意外と難しい。例えば、「こいつは嘘を言っているかもしれない」 という目で見ながら話を聞いている人に「私がレズビアンである」ということを、信用させるためには、何を示せばいいのだろうか。目の前で女性とセックスをする? そんなことはできるわけもないし、例えできたにしても、言い逃れ るために必死になっていると解釈されない保証はないし、そう思われたらそれを崩すことすら容易ではない(いくつかの国では、性的指向を理由に迫害された場合、難民として認められることがあるが、性的指向をどのように認定するかはひとつの論点である。まして、迫害を受けるような国では、同性愛者がコミュニティを作ることも容易ではないから、そこからの情報を得ることすら難しい)。


七色の変化球のようなレトリックを操り、ナイアガラ瀑布のごとく怒涛の雄弁を繰り出し、ホワイトアウトと見まごう詭弁で煙に巻くという手管は誰にでも使えるというものではない(誰にも使えない?)。


【私は同性愛者です】

結局のところ、自分が同性愛者であるということをカミングアウトし続ける中でしか、同性愛者であることの証明の確からしさを磨いていくことはできないのではないだろうか。

この場合のカミングアウトは、異性愛者向けのものだけではない。自分にカミングアウトをするということは、最初のカミングアウトとして考えられているが、一度、自分が同性愛者であるということを認めてしまえば、自分に対するカミングアウトはお仕舞いではない。人と関わっていく中で、同性愛者として生きていく自信が揺らぐことなどはいくらでもあるだろう。その時には、何度でも自分にカミングアウトする必要があるし、カミングアウトの質を高めていくためには、同性愛者同士で経験を共有する場をできるだけもつことも必要である。無知と無関心と興味本位に曝されながら、「それでもボクは同性愛者です」といえるのは、神ではなく私自身なのだから。

蛇足:

痴漢冤罪で捕まったゲイは何というのが効果的だろうか?

「この人、痴漢です」と手をつかまれた瞬間から、民間逮捕は始まっている。
私はやっていないと言った後は、「弁護士を呼べ」といい続けるのがいいのではないだろうか。いきなりそんなことを言い出す奴はいないから、回りはビビること請け合いである(笑)。

もっとも、駅の事務所まで追ってきて「この人、痴漢じゃありません」と言ってくれる殊勝な女性も引いてしまうかもしれないが・・・。

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