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レズビアン&ゲイライフをサポートするNPO法人アカーのWEBマガジン。編集部:「ふじべ・あらし」がお伝えしています。

HIV感染をセックスの相手に伝えるべき?(その2)

PWA Speakerからの転載です:

感染を周りに伝えるべきかどうか......

それは、伝える側と伝えられる側の双方によって、立場は違っていいと思う。

ただ、一方的に物事が語られることは、偏っている。


特に、性行動においては、感染者が性行動をおこすとき、相手に伝えるべきだと思う人々は多い。

以前、私が講演の際に行ったアンケートで、感染者との接することに対する抵抗は少ないという回答が多かった。

それでも感染者が性行動をとることに対して、おおくの人々が抵抗感をもっていた。

こんな状況のなか、感染者が性行動をこれからとろうとする相手に、感染の事実を伝えたならば、拒否されることは簡単に想像がつく。


そもそも、拒否する理由は何かを考えたときに、当然ながら、「感染」が脳裏によぎり、感染したくないから、性行動を拒むということがわかる。

感染しないためにも、その原因となる相手との性行動は絶対に避けたいというのが心情だろう。

つまり、感染者は、おおくの人々の性的対象外になるわけだ。


こうした考え方は、感染していないと思いこんでいる人々の、一方的な考え方ではないかと思う。

感染したくないのであれば、相手が誰であっても、予防行動をとらなければならない。

相手から、感染の事実を知らされた。感染したくないから性行動を拒否。これを予防行動だと思いこんでいる人が多い。

その典型的な例がエイズ検査で陰性の証明書をほしがる人々だ。

あれは、3ヶ月前の結果であって、たとえば、昨日、性行動をしたことに対する結果ではない。

だから、陰性証明書は、本人のみがしる、過去の自分の行動の結果である。

人間は、嘘をつくし、嘘とまではいかないでも、記憶は曖昧になる。

性行動の際に、嘘や曖昧な記憶で「自分は、検査で陰性だから(予防しなくても)大丈夫」という言葉を信じ、感染したとしたら、その責任は、最終的には自分で負うことになる。


感染していることを、感染者が伝えてくれると思うのは、やめてほしい。

感染者は性行動をとらないと、勝手に思いこまないでほしい。


感染したくないのなら、それは、自分で自分の行動を管理する以外に方法がないと、今一度、理解してください。


性行動の際に、感染していることをあいてに伝えるべき?

もう一度、この問いに、一人一人が考えてみる必要があります。

(おおいし・としひろ)

ゲイでHIV感染者たちが、普段の生活のなかから、ポジティブ(HIV+)として考えたり、思ったりすることについて紹介していくコーナーポジディブ・ゲイ・スタイル


HIV(AIDSウイルス)に感染して18年目をむかえたおおいし・としひろさんが、20周年に向けて新たに始めたブログPWA Speakerから文章を紹介しました。



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