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レズビアン&ゲイライフをサポートするNPO法人アカーのWEBマガジン。編集部:「ふじべ・あらし」がお伝えしています。

「抱き合ったまま転落」を報道したニュースソース

先月30日、静岡県藤枝市の中学校二年生の女子生徒二人が一緒に飛び降り自ら命を絶つという悲しいできごとがありました。

これは、決して何かが「正解」であるという問題ではないと思いますが、ことこのように痛ましい事件だと、報道や読む人の心に、“ここから先を考えたくない”という安全装置のようなものが働く領域があって、その背景にあったかもしれない真実や可能性に、目を向けることもできず、ただただ「思考停止」や「責任転嫁」、そして「風化」が始まる、ということは本当に多いことなのかな、と思います。

その中、事件を報じたいくつかのニュースソースの中で、東京新聞中日新聞)系のソースのみが「抱き合ったまま」という表現を残して記事を構成し、報道していた姿勢に、ほんの僅かだけですが、救われるような気分になりました。

携帯に『いじめ』、遺書も 中2女子2人、自殺 静岡・藤枝飛び降り(東京新聞)

 三十日午後三時四十分ごろ、静岡県藤枝市前島一のショッピングセンター「BiVi藤枝」の立体駐車場屋上から、市立広幡中学校二年の女子生徒二人=いずれも(13)=が転落、病院に運ばれたが、全身を強く打つなどして間もなく死亡した。一人の自宅から三十一日、「遺書」と題した文書などが見つかっており、県警藤枝署は二人が飛び降り自殺を図ったとみている。

 同署などによると、A4サイズの紙に「遺書」というタイトルで「生きているのがつらい」などと手書きで記してあった。日付から半年ほど前に作成されたとみられる。

 また、携帯電話には、いじめに関する文章が保存され、他人が勝手に操作して見られないように保護措置が施してあった。紙か携帯電話かは不明だが、いじめについて「先生は気付かないふりをしている」という趣旨の文言もあった。

 もう一人の生徒の自宅からは遺書などは見つかっていない。

 広幡中によると、二人は同じ小学校出身。一年時も同じクラスだったが、二年生で別のクラスとなった。

 駐車場は六階建てで高さ約十六メートル。屋上に二人のスポーツバッグがあり、二人が抱き合ったまま転落したとの目撃情報もある。

 同中では三十一日に始業式が予定されていた。