両親にパートナーを紹介するにあたって
2007年の12月に両親にレズビアンとしてカミングアウトをした、
帝(てい)さんのカミングアウトのプロセスを記したエッセイの第10回目です。
両親へのカミングアウトから1年経った節目として、
2008年12月に帝さんが書かれた文書から、
今回は、「パートナーを両親に紹介する」ときのエピソードを紹介します。
●親へのカムアウトから1年を経て〜カミングアウト・プロセス(帝)
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11月はじめの土曜日。
やっと、両親と彼女が顔を会わせる日が来ました。
母と彼女も1月に会ったきり、席を設けて4人で会うのは
もちろん初めてのこと。私は、前回書いたような両親とのずれが気になっていたので、
事前に、主に父に宛てて、口頭で説明しきれていない部分や、
セクシャルマイノリティについての認識と理解を深めてもらおうと、
説明の手紙や、先日のTV番組を数話録画したビデオを渡してありました。
それを渡した時、
父は小さな声で、
「レズビアンのビデオ? 興味無いなあ。」、と引き気味。
台所で母と話をすると、
「番組は2話くらい観たけど、もういいかな。
そんなに興味が無いと言うかー。」
…ほう。
しかし、そんなやんわりした困惑程度では、
私も引きませんよ。
とても参考になる実例だと思うので是非観て欲しい、
とお願いし、心の中では、
「興味が無い」という、2人から出た”キーワード“を
今後の課題としてメモメモ。
しかし、初めて父の口からも「レズビアン」という言葉が出た事に、
耳を疑うほどビックリ&一歩前進。
顔合わせが間近に迫ると、
会うことは楽しみにしていた両親でしたが、
またしても、めいめいが同じセリフを口に。
「今回(彼女と会う際)は、込み入った話はナシでね?」
と、母。
「あまり難しい話をするのはイヤだよ?」
と、父。
…ふむ。
ここまで来たんだし、
この先は焦らずにいこう、という思いで、
「まあ、“今回は”会ってもらうだけでね」
と、私。
(帝/2008年12月)【続く】