S.I.P.への手紙(一通目)
10代や25歳以下のユースが集まっていろいろなことを話しあい、遊ぶプログラム【S.I.P.】へと届いたお手紙を紹介します。今回のお手紙は、22歳のユース「クエッショニングのTさん」からのお手紙を紹介します。
私は今回がS.I.P.初参加でした。正直な感想を述べるならば、何よりもまず「緊張した〜」ということでしょう。(実は、あまりの緊張に、前日の夜は結構本気で「やっぱり行かないでおこうかな」などと考えていたくらいです。)
それといいますのも、私にとってこれが初めての“ゲイ・レズビアン・バイセクシャル・クエッショニング”の方々と、お会いする機会だったこと、そして、初めて自分が同性を好きだと公表することだったからです。
それに、私はまだ自分のセクシュアリティに迷っていて、中途半端な自分は、もしかしたら、はっきりと生き方を決めている人にとって、とても不快な存在かもしれない……などなど、ひたすらネガティブに構えていたことも緊張の要因だった気がします。
さて、そんな私が今回参加し、自分のテリトリー(つまり自宅)へと無事帰ってきて思ったことは、「なんだ、そんなに怖くないじゃん」ということでした。
もちろん、私は今回が初参加なので、今までがどうだったかなんてわかりませんし、みんながみんな「楽しい」と感じるなんて思いませんが、少なくとも私は、「同性が好き」が「普通」な場所で、結構ほっとできたな〜と思います。
“ゲイ・レズビアン・バイセクシャル・クエッショニング”が集まるからといって、別に、みんなで腰を据えて恋バナするわけでもなく(それはそれで面白そうですけど(笑))、ただ普通におしゃべりしたり、質問したりするだけだったんですけどね。
ただ、今まで、「同性が好き」なのは「由々しき事態(!)」だという意識が知らず知らず私の中に潜り込んでいたみたいで(←これこそ由々しき事態です!)、ほんとに、いつの間にか「私はマイノリティーなの」「私はみんなと感じ方が違うの」と自分を特別視していたと思うのですが、S.I.P.に参加してみて「あ、なんだ普通なんだ。わたしが好きになったのが女の子だったってだけのことで、そんなのちっとも変なことじゃないんだ。」と、今まで繰り返し自分に言い聞かせていたこと(でもあんまり納得できず不安だったこと)が自然に受け入れられた瞬間が少なくとも1回くらいはありました。
ここで「つまり一瞬かよ!!」と思う方もいらっしゃるかもしれませんけれど。
(「クエッショニングのTさん」)