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レズビアン&ゲイライフをサポートするNPO法人アカーのWEBマガジン。編集部:「ふじべ・あらし」がお伝えしています。

両親へのカミング・アウト(第3 回)

両親へ〜カミングアウト・プロセス(帝) 

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両親に同性愛者としてカミングアウトしたとき、帝さんは、
どんな状況を作って、
どんな反応が実際に両親からあったのか?
そして、そのとき何を帝さんが感じたのか?


レズビアン・メンバー帝(てい)さんのエッセイ3回目です。

私は既に独立して生活していますが、
実家と職場が近いこともあって、
両親と普段の対話は適度にしている方だと思います。

しかし今回のカムは、
両親に普通に構えられては困るので、
「改めて話がある」という宣戦布告を、
母には以前からチラつかせておりました。



両親としては、
間違っても私に結婚の可能性が無いことは承知しているので、
何を話しに来るのかと気になって、「聞きたいけど聞きたくない」ピークだったことでしょう。



当日は、双方ともただならぬ緊張感の中。





両親には、
正面へ並んで座ってもらい、
私は、走り書きだらけの手紙(兼・台本)を傍らに置いて、正座



「前置きはいいから」
と話を促す父と、


「まあ、お茶の1杯でも飲んでから」
と言いつつも、前夜、メールで探りを入れてきた母。



まず、予定していたカムの内容から。


「伝え終えるまでは、言葉を挟まずに聞いて欲しい」
とお願いして話を始めました。



話をするに至った経緯を、
少し前置きしてから、


「私は、もうずっと以前から、異性愛者ではなく、同性愛者と自認して生きてきました。」



と、言葉に出してしまうまで、本当に緊張しました。



目の前の両親を見ても、
下を向いたままの母と、
眼鏡を外して、目をつぶったままの父



黙って聞いてくれとお願いしたのは私だし、
反応が読み取れないのは当たり前ですが…。



そのまま20分位は一人で喋っていたでしょうか、
なるべくゆっくり、言葉を区切りながら伝えました。




話を終えたあと、
まず、父からはこんな言葉。

「想像もつかない事だったので驚いている。

『同性愛』という言葉は好きではないし、その言葉を聞くのも抵抗はある。


しかし人それぞれの生き方があるし、

その(私の選んだ)生き方を批判する気持ちは無い。

なにも、それを周りや職場に言ってまわる必要もないだろうし、

同性愛などと堅苦しく考えず、相手とも「仲の良い友達」という捉え方でいいのではないか。


今日は、いきなりの事で頭の中が真っ白だし、
こんなところで勘弁してほしい。
今後も、(父の)気持ちを変えたいのなら、また話をすればいい」


といった内容。



早々に、社会的な面から捉える発言が出るあたりが、
「やっぱり」という感じ。



同性愛に関する意識は、
フォビアが根強い年代だから、
最初としては、まずまずの範囲内ではないかと感じました。



でも、まさに本質的と言うか、
ここが一番大変なところですよね。



母は、基本的に父と同調




「今の時代は多種多様な生き方でもいい、
健康でいてくれればそれでいい」


と。


しかしその後、
私と2人きりになると、出てくる、出てくる(笑)。



「あなたは、これから外見が男っぽくなっていったりするの?」 


とか。



…いいえ母さん、もう逆行しませんよ。



「ニューハーフの人がその姿で田舎に帰ってくるやつ、あれ親はビックリね。」


とか。



…ですから母さん、TVの見過ぎです。



といった、外見(容姿)にこだわる発言を連発するので、
そうでは無くて、と少しだけ話(LGBT程度)をしましたが、
やはり首をかしげる母。



そして、その後は
「相手の方はどんな人?」

といった種類の質問も、連射(笑)。



そういった疑問や反応の言葉に、
私がひとしきり答えるうちに、
母はもう気が済んだらしく(強烈なB型です)、


もう後半には、いつものパターンである、
「母の父に対する愚痴聞き」になっていました。



帰り際には、
「これ2人で食べて」、
「相手の方に会うのが楽しみ」、
「応援してるわ」、


など、


ノリが良過ぎて、
微妙に危険な感じすら…(笑)。



その夜、タイミング良く彼女を駅でキャッチして、
カム報告しながらの帰宅途中で、偶然、
大きな流れ星を見て(ふたご座流星群だったみたいです)、


彼女から、同じ日にジョディ・フォスターがカミングアウトしたらしい、
というニュース。



私のホッとした気持ちに乗っかったようで、嬉しかったです。


(帝/2007年12月)【続く】

両親へ〜カミングアウト・プロセス(帝) 

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【OMブログ】に続いて、当QMブログでも掲載を許可してくださった帝(てい)さんに感謝いたします。



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