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レズビアン&ゲイライフをサポートするNPO法人アカーのWEBマガジン。編集部:「ふじべ・あらし」がお伝えしています。

中国でゲイであること、すなわち、「感染経路」なのか?

「大都市の男性同性愛者、HIVの感染経路に―中国」というニュースがありました。
(ソースはRecord Chinaという中国のニュースを配信するサイトから。2009-03-22 20:09:02 配信。記事は巻末に引用してあります)


この「大都市の男性同性愛者、HIVの感染経路に」という題名しか読まないと「同性愛者であること」すなわち「感染経路である」というメッセージの記事なんだろうか?という印象も受けます。発表なされた中国語の原文の方はどのような、記述になっているのか気になるところです。

日本でも1990年代半ば頃まで「エイズは特定の集団の病気」という偏見が強いものがありました。風俗産業従事者でなければ、外国人でなければ、ゲイでなければ、HIV感染を心配しなくてもよい、といったことを多くの国民は感じていたのです。


その後、より中立的な視点でエイズを見直してみるという動きが出てきました。HIVウイルスが「この人は同性愛者だから感染しよう」とか「風俗で勤めているから感染しよう」といった意思を持っていて、人を識別して感染することはない、という当たり前といえば当たり前すぎることが認識され始めたのです。


その結果、どの集団に属しているかが、HIVへの感染リスクの原因なのではなく、どのような行動をとっているかが問題されるようになりました。そのことを反映して、それまでのエイズサーベイランス委員会「感染経路」欄には「男性同性愛者」というカテゴリーがあったのが、同性愛者に対する差別を助長し、予防啓発にとっても効果的ではないということが理解されて「男性同性間性的接触」という言葉に改められました。


国際エイズ会議などに参加すると、ここ数年、中国でも、ゲイ向けのHIV予防活動が急激な勢いで始まっていることを肌で感じます。その中でも、ゲイの立場に立った、ゲイの側からの予防啓発を考えようという動きもあるようです。中国のゲイ向けのエイズ予防/サポート活動には、今後注目ですね。

●ソース:大都市の男性同性愛者、HIVの感染経路に―中国(Record China)

2009年3月19日、最近行われた調査によると、中国の大都市に住む男性同性愛者が、HIVの感染経路の1つになっていることが明らかになった。中国新聞社が伝えた。


調査は、中国疾病予防抑制センターと青島大学医学部付属病院「性健康センター」など9機関が共同で、9つの大都市(ハルビン瀋陽西安鄭州・上海・南京・武漢・重慶・成都)に住む男性同性愛者2250人を対象に、アンケートと血液検査によって行われた。対象者の平均年齢は26歳で、20.7%が既婚者。2.2%にHIV陽性の結果が出た。


同調査によると、94.8%が最近6か月以内に男性と性的関係を持ったと答え、既婚者の74%が女性の性的パートナーがいると答えた。また、半数近くがインターネットサイト、バー、公衆浴場などで知り合った男性と性的関係を持ったと答えた。多人数での性行為の経験があると答えたのは18.6%、売買春は13.2%。その他に22.4%が最近6か月以内に性病の症状を訴え、24.4%がHIV検査を受けたことがあると答えた。


調査の責任者・張北川(ジャン・ベイチュアン)教授は、中国の男性同性愛者の多くが女性とも性的関係を持っていること、不特定多数との1度きりの関係が一般的なことに注目する。張教授は、彼らが利用するサイトを媒介とした健康教育などHIV感染予防措置が、当面の急務だと述べた。



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