QMblog's blog

レズビアン&ゲイライフをサポートするNPO法人アカーのWEBマガジン。編集部:「ふじべ・あらし」がお伝えしています。

LGBTのホームレス・ユースをサポートする施設

NYCでLGBTのホームレス・ユースをサポートするアリ・フォーニー・センター

クリスマスイブの日の夕方、私たちは、最後の視察先としてアリ・フォーニーセンターAli Forney Centerのドロップインセンターを訪問しました。ニューヨークのLGBTのホームレスユースをサポートしている施設です。そこは、それまで私たちがNYで見てきた「このビル全体が、私たちが仕事をしているビルです」といった大規模なグループとは違って、他の会社もテナントで入って、使用しているようなビルの1階の一室でした。大きさはアカーの事務所くらいの大きさ。

f:id:QMblog:20050101235551j:image

LGBTのホームレス・ユースの問題

ますます多くのレズビアン、ゲイ、バイセクシャル、トランスジェンダーLGBT)が目に見えるようになってきている米国社会でも、家族から拒絶されて、路上でホームレスにならざるをえないLGBTの10代も少なくありません。LGBTのホームレス・ユースは、異性愛者のホームレス・ユースに比べて、ストリートやシェルター施設内での暴力のターゲットになりやすく、彼らの多くは、精神疾患やトラウマ、飲酒やドラッグ、HIV感染の問題を抱えているといいます。Ali Forney Centerでは、2002年からNY市のそんなLGBTのホームレス・ユースのためにシェルターを提供しています。


f:id:QMblog:20050102000949j:image
施設の案内とインタビューに答えてくださったスティーブンさん。

受付

まず、入ってすぐに受付があり、そこは、ごっちゃごっちゃしていながらも、スタッフはみな忙しいそうにしていました。同時に、ユースのセンター特有の「楽しそうな」雰囲気がありました。


「私を撮って〜」と声をかけてきたスタッフ。
f:id:QMblog:20050102000348j:image


f:id:QMblog:20050101235554j:image
受付にはコンドームが自由に取れるように置かれていました。


医務室

受付の奥は、医務室になっていました。
f:id:QMblog:20050101235629j:image
路上で怪我をすることの多いユースのために、簡単な応急処置ができるほか、HIVの検査も受けられるスペースになっていました。
そこは他の部屋より遥かに綺麗でした。スティーブンさんも「この部屋は落ち着いて、安心できるようなレイアウトにしてある」とのこと。


1週間のスケジュール

f:id:QMblog:20050101235446j:image
また、狭い廊下には掲示板や、1週間の各プログラムのスケジュール、一日のスケジュールなどが張り出されていました。

多目的スペース

写真には、とっていないのですが、廊下の突き当たりの一番広い部屋が、ユースたちが、朝・昼・晩の食事をとったり、寝たりする多目的スペースにもなっているとのことでした。当日、その部屋には、2人の少女がいました。身体じゅうの精気を吸い取られたように、椅子にもたれて、寝ているのでも、起きているのでもないような状態で、“ただそこに存在しているだけ”という感じでした。もしかしたら、単にその時、眠かっただけなのしれません。けれども、他のユースが、廊下や受付前のスペースで、元気にうろうろしているのと比べて、あまりもの違いには、やはり驚きました。


慈善事業の服

f:id:QMblog:20050102000436j:image
その隣の部屋では黒いビニール袋が山積みになっていました。子どもたちが、そのビニール袋から洋服などを出して選んでいました。
スティーブンさんによると、その衣類は慈善事業として集められたもので、本当は他のところに届けられる予定だったが、Ali Forney Centerへの寄付として廻ってきたものだ、とのことでした。

キッチン

入り口から入って、右側にはキッチンがありました。

f:id:QMblog:20050102000106j:image
食料が保存されているキッチンも、もちろん鍵がかかっていました。多目的スペース以外、すべて部屋は鍵つきで、スタッフが施錠していました。

キッチンはまさに外国のキッチン臭が漂っていたけれども、思ったより、狭いものでした。

食事の時間は、ユースたちが、ぎゅうぎゅう詰めで押し合いながら食事を取る、とのことでした。

トイレ&バスルーム

キッチンの隣がトイレ・バスルーム。当然、異臭がしました。シャワーを浴びるとき、どれだけこの場所が騒然となるかは、簡単に予想がついたので「いつも順番待ちの列ができるんですか?」と聞いてみると、「そう。こんな感じで(ドアを叩く真似をして)早く出て!って大変だよ」とスティーブンさんは笑っていました。

f:id:QMblog:20050102000005j:image


f:id:QMblog:20050101235947j:image