ブロンクス地区の“かわいい”LGBTユースセンター
Bronx Community Pride Center(2008年12月23日訪問)
●ブロンクス地区のLGBTユースセンター
ニューヨーク・ブロンクス地区にあるブロンクス・コミュニティ・プライド・センター Bronx Community Pride Centerは、ビルの2階から4階までを使用したLGBTのユースセンターでした。スタッフは16名。電話相談、家族との関係など各種テーマのセッション、職業訓練、高校を卒業することを目的としたアフタースクール、またユースだけでなく、中年・高齢のLGBTのためのプログラムもやっているとのことでした。
●各担当のスタッフ
「アウトリーチ&渉外担当」、「レズビアン担当」、「ゲイユースを対象としたHIV予防啓発担当」、「ケース・マネージャー」等など。担当に応じて持ち場としているスタッフルームが別れていて、順番に各部屋を訪問して、それぞれの活動について説明を受けました。
※HIV予防啓発担当のケネッシャさん。アカーの予防啓発プログラム「ライフガード」 のことにも興味と共感を示してくださいました。
※センターの内装やレイアウト、建築などを一手に引き受ける大工さん。
●「13歳→18歳×2」の遭遇
彼は、13歳からブロンクス・コミュニティ・プライド・センターに来ていて、
現在は、ボランティアで電話相談で電話も取っていているとのこと。
「就職活動中だよ」とのことでした。
ちなみに、今回視察した岩本も、彼と同じ13歳の時にアカーにやってきて、現在は、ユースを対象とした活動をしている。そのことを伝えると「あなた、素晴らしいわ!!」とガイドをしていたマイアミさんが一言。
●内装はユースによるレイアウト
内装など、私たちが2003年に訪問したサンフランシスコのLGBTのユース施設LYRICリリックとそっくりな雰囲気でした。
とても居心地が良かったので「壁などのレイアウトは、誰が行っているのでしょうか?」と尋ねてみると、
やはり答えは「利用者のユース」とのことでした。
どこのユースセンターも利用者が、部屋の中のレイアウトを行っている。
LYRICには、家出ユースのためのシェルターがあったけれど、Bronx Centerにはなかった。
だから「シェルターのないNY版リリック」といった感じでした。
●来歴と展望
ブロンクス・プライド・センターは、1996年に4人のゲイによって設立されたそうです。設立当初は、ニューヨーク市の別の場所にあったそうですが、後に、今のスペースに引越してきたそうです。越してきた理由は、ニューヨーク市の5つの区のうち、ブロンクス区だけ、LGBTのコミュニティ・センターがなかったから、とのことでした。
ブロンクスのストリート。ごみごみした感じが独特でした。
移ってきた当初は、1フロアーだけだったが、増築を重ねて今の状態になったそうです。スタッフも、「だんだん大きくなってきた」と話していました。だんだん規模を拡張してきたブロンクス・プライド・センターですが、「今後は、どうしていくつもりか?」ということを質問してみました。「今の状態で万全ではないところを強化していきたい。またブロンクス以外の場所での開設も考えていきたい」とのことでした。
「組織を拡張して、大きくしていくためには、新しい人材も必要だと思います。新しい人材は、育っていますか?」という質問に対しては、答えは「NO」でした。 その理由の一つは、「若い人材を雇えるほどの、資金がないから」とのことでした。
私たちが、Bronx Centerを訪問したのは、視察期間の最後の方にあたる12月23日であったので、他の訪問先では質問できなかった、こんな突っ込んだ質問もしてみました。
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