LGBTコミュニティセンター LGBT Community Center
LGBTコミュニティセンター LGBT Community Center
ニューヨークのウェストビレッジにあるレズビアン、ゲイ、バイセクシャル&トランスジェンダー・コミュニティセンター LGBT Community Center。4階建てのビルでは、数百のLBGTのグループがミーティングやイベントを行うためのスペースを提供したり、ユースやHIVポジティブへのサポート・サービスが行われています。
キースへリングの部屋
元はトイレだったという部屋の壁一面にキース・へリングの絵が…。1984年、市の所有となっていた空き家のビルを、レズビアン&ゲイ団体が使用していたことから始まるLGBTコミュニティセンター。1989年にはキース・へリングら50人の有名アーティストが内装を買って出たそうです。訪問したときは外壁を改装中。
レズビアン・アートの部屋はある?
ガイドのリーさんについて、センター内をツアーしながら、各部屋を廻っている途中で、ゲイの芸術家によるアートやオブジェが置かれていたり、ペニスをかたどった、ゲイテイストにあふれた装飾が目立ったため「レズビアンのアートが飾られた部屋はないのか?」と質問したところ「レズビアン・アートの部屋はセンターには存在しない」というのが返ってきた答えでした。「レズビアンの部屋がないのはちょっと残念ね」と案内をしてくれたレズビアン・スタッフのリーさん。
「ゲイの名前が冠された部屋があったり、ゲイの芸術家のアート作品があるのは、ゲイがエイズという大きな問題に直面しないといけなかったことと関係している」とリーさん。「そして、レズビアンたちには、ゲイのような大きなムーブメントがなかった、というのがセンターにレズビアンの部屋がない理由。80年代、エイズとどのように向き合うかということがゲイの大きなムーブメントにつながった。レズビアンの問題として、婦人科疾患の問題もあるけれど、歴史的にみて、レズビアンにはエイズくらい大きな危機に対処しないといけない、ということがなかった。今現在も、ニューヨークのレズビアンは、不自由だと感じていない。クラブイベントもレズビアン向きのプログラムも存在するから」。
ちなみに、センターの各スタッフは全員、トランシーバーを所持していて、それぞれ、ハーヴェイ・ミルクや好きな女優の写真など裏にを貼っていました。
HIVポジティブやユースへのサポートサービス
この扉から中庭を経た所にある別棟には、HIVポジティブの人のための部屋とユースプログラム(YES)のための部屋がありました。そこだけは、クライアントのプライバシーのこともあって撮影禁止、中に入るのもNGでした。
その他の部屋は
センターの最上階の一室にスタッフの部屋がありました。それ以外の部屋は、主には、さまざまなグループが集まるためのコミュニティ・スペースとして使用される部屋でした。高齢者プログラムがテナントで入っている部屋、音楽室、図書室、PCルームなどもありました。
黒人ゲイの詩の朗読会
2008年12月20日の夜には、“OTHER COUNTRIES: BLACK GAY EXPRESSION WINTER SOLSTICE OPEN READING”と銘うたれた詩や散文の朗読会に参加してきました。これは、半年に1度、黒人のゲイたちが、自作の詩や短編などを自由に発表する会で、刺激的で自由な雰囲気がよかったです。
当日会場で販売されていた、アフリカン・アメリカンのゲイによる詩、アート、散文、キング牧師と同時代の黒人ゲイの活動家のインタビューなどを収めたアンソロジー『Another Country』(1998年)を購入。
センター主催のクリスマス・ダンスパーティー“DANCE 208 PRESENTS TWINKLE”
12月20日土曜日の夜には、センター主催のクリスマスパーティー参加してみました。ダンス・パーティでは、70代、80代にもなろうかというゲイが、パートナーと、もしくは一人で踊る姿は圧巻でした。センターには、高齢者のためのプログラムも行われていて、さまざまな層のLGBTがそれぞれの生活を充実させることができるように配慮されている、ことが感じられました。