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レズビアン&ゲイライフをサポートするNPO法人アカーのWEBマガジン。編集部:「ふじべ・あらし」がお伝えしています。

もしハーヴェイ・ミルクが生きていたら?〜“プロポジション8”と“プロポジション6”

もしハーヴェイ・ミルクが生きていたら?〜“プロポジション8”と“プロポジション6”


米大統領選と同時に実施されたカリフォルニア州の住民投票で、「カリフォルニア州では結婚を男女間に限る」とする、同性婚を禁止する案件(プロポジション8)が可決されました。事前の世論調査では反対が優勢だったのですが、終盤で宗教保守層が「子どもが学校で同性婚を教わるようになってもいいのか」と訴えるテレビCMを大量に流したこともあって、有権者の同性婚への不安感をかき立てたこともあったようです。


同じようにカリフォルニア州では、1977年、ゲイと公言した政治家ハーヴェイ・ミルクがサンフランシスコ市政執行委員になった時にも、保守派が公の道徳観を復活させようという動きに出ました。

1978年の1月には、同性愛者を公立の学校の教職から禁ずる法律を制定する“プロポジション6”という提案が出されました(当時の政治的状況には、当QMブログの連載「サンフランシスコ・ゲイ・コミュニティ形成史」も合わせて参照ください



そんな、ハーヴェイ・ミルクの人生を描いた伝記映画Milk(監督:ガス・ヴァン・サント、主演:ショーン・ペン)の公開を間近に控えた全米では、2008年の現在と30年前の状況を比較して、もしハーヴェイ・ミルクが1978年に暗殺されていなかったら彼は、同性婚を禁止するプロポジション8にどうやって対応したのだろうか?という議論がなされているようです。


記事がMTVジャパンに載っていたので、紹介します。


ソース:ガス・ヴァン・サント新作 同性婚の禁止に与える影響は?(MTV)

「Milk」はサンフランシスコの市会議員を務めたハーヴィー・ミルクが、1978年に制定を目指していた「プロポジション6」(註:同性愛者の教師や、同性愛者の権利を支援する公立校の職員の解雇を義務とする条例)の否決に向けて奮闘する姿を主軸に描いた伝記映画。劇中ではショーン・ペンが、アメリカ史上初めて自分がゲイであることを明らかにした上で選挙を勝ち抜いた公職者となったミルクを演じた。すべての人々に平等であることを訴え、条例への革新的な勝利を祝福するミルクのスピーチは、複数のシーンに取り入れられている。


http://hps.mtvjapan.com/mediacms/images/news_e9d66e265a76131cf8ba7c488f970c55.jpg


しかし、ミルクの大勝利から30年、カリフォルニア州の多くの住民は、同性愛者の権利が置かれた状況が本当の意味で向上したのか否か、首をかしげている。映画「Milk」の選考試写会では、終演後にロビーで「プロポジション8」と「プロポジション6」を比較した熱い会話が繰り広げられた。影響力の強い政治家がいない今(註:ミルクは1978年に殺害された)、同性愛者の権利活動家たちはシンプルな質問を自問している―"ハーヴィーならどうしただろう?"と。