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フランス社会党の党首選挙に注目

同性愛であることを公言しているパリ市長のベルトラン・ドラノエ(Bertrand Delanoe)についての投稿記事が届きました。フランス社会党の党首選挙についてYanagihashiさんが書いてくださいました。

フランス社会党の党首選挙に注目

同性愛者であることを公言しているドラノエも


11月は選挙である。日本の衆議院議員選挙のことではない。フランス社会党の党首(第一書記)選挙のことである。




選挙は、セゴレーヌ・ロワイヤル氏ベルトラン・ドラノエ氏の一騎打ちかもしれない。



勝者は、もしかすると、2012年の大統領選挙では、大統領候補になるかもしれない。更に、もしかすると、フランス初の同性愛者元首の誕生が見られるかもしれない(世界的金融恐慌の影響を受けて、支配階層の交代を目指して憲法改正だってあるかもしれないのに、気の早い話ではある)。


フランスの同性愛観


もっとも、フランスでは、ドラノエ氏が同性愛者であることは、日本で報道されるときのようには注目されてはいないのかもしれない(同性婚には反対だったジョスパン氏もドラノエ氏を支持する発言をしているそうだし)。



もともと、フランスでは、政治のような公共空間に個人の私生活領域のことや個人の属性(民族だとか宗教だとか性別だとか性的指向だとか)を持ち込むことには消極的だ(パリテもあるし、サルコジ氏のように私生活を自ら話題にした政治家の出現もあるけれど)。



それでも、カミングアウトをした同性愛者が、政治の世界で力を示していくのは痛快でもある。性的指向と能力の間には合理的関連性がないことがはっきりする(同性愛者が能力を発揮できない状況があるとすれば、それは、偏って歪んだ異性愛主義の環境のせいだから、10分の1くらいは同性愛者に議席をよこせ−(笑)−)。



フランス流市民概念


もしかすると、イスラムのスカーフ論争の頃から、個人の属性を無視したフランス流市民(共和国の主権の行使者)概念は少しずつ変容を迫られていて、政治家の性的指向が話題になるのは、その流れの中にあるのかとも思ったが、経済的な事情の格差に直結していない性的指向は、性別や宗教、あるいは、民族問題ほどフランスの統治原理との間で摩擦を起こしているわけではないのかもしれない(同性婚は腰抜け左派のおかげでPACSに貶(おとし)められたわけだが、今度の党首候補たちはならば、そのようなことはないであろう、と期待したい−(笑)−)。




とはいえ、フランスにおいても、多くのかつ継続したカミングアウトによって、これまで同性愛に対する認識が変化してきたように、これからも、その変化が継続して行くことは間違いないであろう。

(Yanagihashi)



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