ハーヴェイ・ミルクの登場(2)
「サンフランシスコ・ゲイ・コミュニティ形成史」
「サンフランシスコ・ゲイ・コミュニティ形成史」
ハーヴェイ・ミルクの登場(2)
ハーヴェイ・ミルクの立候補の目的は、ゲイとして自己肯定するのはもちろんのこと、コミュニティを建設し、そこではゲイがビジネスを営み、そして異性愛者ではなくゲイが権力を獲得することであった。つまり、彼の描いていたゲイ・コミュニティ像というものは、ゲイがゲイから買物をし、一日中ゲイとして生活でき、ゲイ自身が土地を所有するようなゲイ・コミュニティであったのだ。そうすれば、ゲイ・コミュニティは、単なるクルージング・ゾーンではなくなり、ゲイはゲイの立候補者にかならず投票することになり、それはゲイの政治的なパワーにつながるのである。
【つづく】