ナイトライフからライフスタイルへ
「サンフランシスコ・ゲイ・コミュニティ形成史」
「サンフランシスコ・ゲイ・コミュニティ形成史」
ナイトライフからライフスタイルへ
1960年代、ゲイバーのなかで形成されたネットワークは、同性愛者の生活をバーのなかからストリートへと、つまりナイトライフから昼間の生活へと変化させた。
「性的逸脱」という絡印を押されることによってゲイバーという密室のなかだけのものであった同性愛者の生活が、同性愛者自ら選びとったライフスタイルへと変わっていったのである。
このような現象の背景としては、ビートニク・カルチャー(マッカーシズム、家族制度、郊外居住運動などのような保守的な体制に対する対抗文化運動)の存在もあげることができる。
1969 年にニューヨークで起きたストーン・ウォール事件*1は、サンフランシスコでもゲイムーブメントを活発化させることになった。
そして、この後サンフランシスコでは、ゲイムーブメントは政治的な力を模索する運動へと発展していったのである。
【つづく】 関連:wikipedia:ストーンウォールの反乱
※(本記事は当時のアカーの機関紙『ゲイ・ライツ』の1993年臨時増刊号に掲載された同名記事をベースにしています)
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*1:ニューヨークのグリニッジ・ヴィレッジのクリストファー通りに面した「ストーン・ウオール・イン」というゲイバーで起きた事件。ニューヨーク市警察がバーを閉鎖しようとしたことに対して、その晩から数日間にわたりゲイたちが警官にビンや石を投げて徹底的に抵抗した。このような抵抗の余波は、アメリカ国内に瞬(またた)く間に広がり、ここから多くのゲイ解放運動の運動体が結成されたという。サンフランシスコで現在行われているゲイプライドパレードは、このストーン・ウォール事件にちなんで開催されているものである。