「まわりの視線と自分の振るまい」(4/4)
「まわりの視線と自分の振るまい」(4/4)
―――「ノンケ」との接し方(あるいは、はぐらかし方?)をテーマにした、正和さんさんのライフヒストリーの完結回です。
●まわりの視線と自分の振るまい(正和)
自分はいつも、女の子を性的に意識しないで暮らしていたので、言い寄られるということもほとんどなかった。
けれど、ごくごくたまに自分に好意を寄せてくる女の子もいた。
そういう子は、僕が「誰を好きなのか?」を調べようとするから困ってしまった。
あるとき、友達数人と一緒にいたとき。
僕に好意を寄せていると思われる女の子が「みんなで一人ずつ、今好きな人の名前が何文字か、指で数えてみようよ。」と言い出した。
ハハーン、さては……と思いながら、彼女のご期待にそえずに申し訳ないけれど、当時好きだった彼の名前の文字数をしっかり指折って数えた。
その頃は、専門学校にいて、まだ孤立していたけれど、ゲイ雑誌は読んでいた。
初めて好きになった彼にカムアウトして玉砕し、凝りもせずまた別の彼に惚れてしまっている最中だったけれど、以前よりふてぶてしくなっていたのかもしれない。
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