ハイスクール・ララバイ
学校から駅までの帰宅途中、信一と、公園の中を横切っていた時のことだ。
信一が突然、公園にあった工事用の赤いポールを両手で揺さぶって
「ウ〜。」という声をあげた。
―――ゲイと気付いた頃のスクールデイズをテーマにした正和さんのライフヒストリー最終回(6回目)です。
●ハイスクール・ララバイ(正和)
ハイスクール・ララバイ(6/6)
その仕草がとてもかわいらしかったので、
自分が「かわいい」というと「 昔からの友達って、こういうこと分かってくれるから好き」
と信一が言った。
それを聞いて一瞬「え?」と思った。
「まさか信一も?」と思い、
その時はグルグル考えてしまったけれど、
今にして思えば、信一は、無邪気に振舞ったことを、
素直に「かわいい」といわれたことが嬉しかったのだ思う。
異性愛中心の社会では、
とかく「男は『男らしく』しなくてはならない」
という価値観が蔓延(まんえん)しているけれど、
気心知れた間柄であれば、男性同士でも
「かわいらしさ」を感じたりすることはごく自然のことのように思う。
「らしさ」に縛られて、自分が本当に好きなものは何なのか、
大切なものは何なのかを感じること、考えることができなくならないようにしていきたい。(正和)【クロスコメントへ】 ●ハイスクール・ララバイ(正和)
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