20年ぶりになぜ「そのひと」と会ったのか?(6)
―――初めて付き合った相手と久しぶりに再会したときの「はと」さんのエッセイ。最終回を掲載します。横たわっていた「20年」という年月が、ご本人を押し流した地点とは?
●「20年ぶりになぜ『そのひと』と会ったのか?」
「今度はもう少しゆっくり話をしたいね」そのひととまた会うことがあるかどうかは、分からない。
ただあのとき、 「同性愛の話をさせてくれなかった」
という、わたしの中で、 そのひとを責める気持ち、
「ヘテロ側にいたひと」への怒りが、解け始めた。
そして、 言葉にならないとは言え、
「ひどい去り方をして傷つけた」と自らを責める気持ちも、
赦(ゆる)されたように思えたんだ。
(はと)【終わり】