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子どもがいても性別変更が可能に?

性同一性障害者の性別に関する特例法」が改正されるかもしれません。今通常国会中にも「子供がいても性別の変更」が認められる可能性が出てきました。Yanagihashiさんによるウの目です。(Arashi)

ソース:性同一性障害の戸籍性別変更、「子供なし」要件見直しへ(YOMIURI ONLINE)

子どもがいても性別変更が可能に?

性同一性障害者の性別に関する特例法」〜ウの目〜
(Yanagihashi)

◆性同一性障害者の特例法が改正の可能性

「子供がいても、子ども、成人に達していればOK」という方向で検討中なのが与党側。民主党は「未成年の子供でもOK」という方向で検討しているようですが、与党との協議には応じる姿勢のようす。



ここでは「ねじれ国会」の事情はさほど問題ではなさそうだ。まぁ、それだけ「利権」にも「国民統合」の記号としても、関わりが薄い問題、ということかもしれない。それより、法律の附則で「施行後3年を目処に見直しをする」とあったのを、その通りにきちんと働きかけを行ってきた当事者は偉い!


◆「子どもなし」要件の見直し


現在、性別変更を認めるために必要とされている「現に子供がいないこと」という性別変更要件は、急に親の性別が変わると「家族秩序に、混乱を来たす」とか、「子供の福祉に障(さわ)る」ということが大きな理由だったようだ。



結局、勝手に混乱したり、「子の福祉」を隠れ蓑に、おせっかいをしていたのは、当事者ではなく、外野だった、ということもよく分かったのではないだろうか。


◆ということは「同性婚」状態??

今回の改正で「現に結婚していないこと」という要件は、見直されないようです。法律施行後、約4年間で、結婚しているTS/TGがいても、当事者はもちろん、周囲も秩序紊乱(ちつじょ・びんらん)で右往左往することもないことも、明らかになってきたのではないだろうか?

戸籍上の性別変更を行わずに結婚が成立しているということは、両方がTS/TGでないかぎり、事実上、「同性婚状態」なわけです(夫が女性への性別変更を望むなら女×女、妻が男性への性別変更を望むなら、男×男という婚姻状態になりますね)。思わぬ(?)ところで、L/GとTS/TGの連帯ができそうではないか。この4年間の結婚しているTS/TG当事者たちの実践で、同性婚が日本社会において認められる基盤も整ったということができよう(?)。


何度か廃案になっている「人権擁護法案」をはじめ、「性的指向による差別の禁止」を明記した法律の成立は、現在のところなかなか成立が期待できないので、ここでひとついかがでしょう。厚かましいようだが、他人の翼に乗って高みに舞い上がることも許されたい(笑)。


(Yanagihashi)