2008-03-21 エジプト十字架の秘密(3/5)〜「新宿二丁目」をめぐる短編 【この街はおまえなんか待たない】 牧村は「二丁目」を愛していたが、同時に憎んでもいた。この街に愛され、ゲイとしての幸せのようなものを感じた事もあったが、たしかにこの街に傷つけられもした。 <前へ 「エジプト十字架の秘密」 1 2 3 4 5 次へ> この「二丁目」が、完全に無くなることなど絶対にあり得ないと思いながら、牧村はバーの地上げを続けた。 「バード」誌の情報源である二丁目を解体する事により、誌面ソースを奪い、「バード」誌の誌面を、「ダリア」誌の亜流にする。「バード」のオリジナリティを失わせてから、「ダリア」誌の誌面を大幅にリニューアルさせる。大喜書房仁藤の戦略だった。弁舌滑らかな牧村の営業能力のおかげで、確実に地上げは進行していった。 (逆島鉈 さかしま・なたる)【続く】 <前へ 「エジプト十字架の秘密」 1 2 3 4 5 次へ> ■関連記事: ライフヒストリーについて 連載にあたって: 第1話:「八百万の死にざま」 ↑「FC2同性愛ランキング」。面白い記事だったら1clickでQMblogを応援☆