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レズビアン&ゲイライフをサポートするNPO法人アカーのWEBマガジン。編集部:「ふじべ・あらし」がお伝えしています。

「輸入できるようになるかも?〜メイプルソープ写真集」

――――――――かつて(平成11年2月23日)最高裁判所が「わいせつ表現物」として、輸入禁止を正当化したロバート・メイプルソープ写真集)。近い将来、輸入できるようになるかもしれません。

◆輸入できるようになるかも?〜メイプルソープ写真集

◆「輸入禁止が違法」が見直される公算


報道によれば、最高裁の第三小法廷は、事件について弁論(法廷において当事者に主張をさせること)を開いたとのこと。税関が「メイプルソープの写真集を国内に持ち込むことを禁止したことは、適法」とした高等裁判所の判決が見直される公算が強くなってきた、ということです。

もちろん、これは大法廷での判断ではないので、わいせつ基準の見直しや税関の検査の違憲判決が出るわけではなさそうですが。

◆平成11年の微妙な判決


当時の判事は全員入れ替わっていますが、かつての判決も、「第三小法廷」。平成11年の判決は、なかなか複雑かつ微妙なものでした。

  • メイプルソープの写真集は『わいせつ表現物』。輸入禁止は適法」、とする判事が2人
  • 「『わいせつ表現物』であっても個人の所持目的であれば輸入規制をすべきではない。しかし、税関では、個人での所持目的かどうか判別できないから輸入禁止もやむをえない(つまり輸入禁止は適法)とする判事が1人」
  • 「写真集は「わいせつ表現物」と認めることが容易でない。事前に税関で審査をして輸入を禁止できない。だから輸入禁止は違法という判事が2人」

◆2月19日の判決に注目!


現在の第三小法廷を構成する判事は、那須弘平(弁護士出身)、藤田宙靖(学者出身)、堀籠幸男(裁判官出身)、田原睦夫(弁護士出身)、近藤崇晴(裁判官出身)の5名。

法曹関係者のゲイとしてのカミングアウトでも、裁判官が一番遅いとか。(もちろん海の向こうの話です)

カムアウトが遅いのを、頭が固いと見るか? 慎重な判断を要求される職業柄と見るか?
ということは別にして、そろりそろりと踏み出された足が、果たしてどこまで伸びるのか?

2月19日の判決に注目です。

(Yanagihashi)

政治・経済・社会のハードニュースから、文化・芸能・ゴシップまで。情報洪水の巷にあふれる様々なニュースを同性愛者の視点からYanagihashiさんが読み解く「ウの目」のコーナー。


明日は、QM誌(1999年4月号)に掲載されたYanagihashiさんによるバックナンバー記事『メイプルソープ輸入禁止合憲裁判』を掲載予定です。(Arashi)

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