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レズビアン&ゲイライフをサポートするNPO法人アカーのWEBマガジン。編集部:「ふじべ・あらし」がお伝えしています。

「同性愛者たちと井田さん、そして私」〜(語り:まみこ)

「同性愛者たちと井田さん、そして私」

(語り:まみこ)

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◆ほとんど面識のなかった井田さん

皆さま。本日、雨の中、ほんとうにご苦労さまです。


スピーチの依頼を頂いたのが、先日の夜で、なにも考えていないのが、正直なところなのですが、実は私、井田さんと面識はほとんどないのです。
アカーの集いで一度だけ顔をあわせたことがあったのですが、とくに、個人的に深いお話をしたとか、そういったことはまったく無かったので、さきほど、ただしさんがおっしゃった「恐かった」とか、そういう印象は特にないですね。

◆「がっかりした」箇所

1994年、『同性愛者たち』が、最初にハードカバーで刊行されるとき、その発売が、待ち遠しくて、発売日に書店に行って、購入しました。そして、すぐ、本を開いて読み進めたのですね。



この場で、こんなことを言うのはどうかなと思ったのですが、私の正直な感想としては、ちょっと「がっかりした」部分が一部あったのです。それがどこかというのはあえてここでは申し上げませんが、最初の方に、その箇所がありました。


今から10年以上も前になりますから、きっと私も若かったでしょうね。大胆にも、井田さんに抗議文を送りつけてしまった、ということがありました(笑)。

◆井田さんからいただいたお手紙

手紙は、その箇所について、「すこし残念でした、もし、今後、改訂とか、何か改めて発行する場合には、是非その箇所は、訂正して、言葉を変えて出して下さい」と、お願いのようなものをした記憶があります。その後、アカーの事務所を経由して、井田さんから、お手紙をいただきました。



井田さんの直筆で書かれた文章は、ただ事ならぬ内容の手紙が自分に送られてきたという、とても切羽詰まったものでした。


直接私と会って、なぜそのような内容になったのかを話すのではなく、ライターとして、文章で、次回『同性愛者たち』がまた改定版なり、なにかが出るときに、きちんと対処します、ということが、手紙の最後に書かれていました。 「ライターとしての誇り」とか、そういうものを、井田さんは、お持ちだったと思います。


◆文庫版(『もうひとつの青春』)では

実際、何年後かに、『同性愛者たち』の文庫版が出たわけですが、もちろん、私も買って読みました。その箇所は、無くなっていました。井田さんは、ちゃんと分かってやって下さったんだな、というのが、とても印象に残っています。


そういう意味で、私は井田さんが、ライターとして非常に素晴らしい方であり、人間としても、とてもしっかりした考えを持った方だと思います。


◆井田さんに感謝したいこと

『同性愛者たち』っていう本を私は、いまだに一年に何回か読み直しをします。 で、今回も、引っ張りだしてきて、さらさらと読んでみたのですが、やはり井田さんって素晴らしいな、と感じました。文章力もそうですし、やはり『同性愛者たち』というこの本をもとに、皆様はこうやって、何かの縁で、今日この場にいらっしゃる。


井田さんの本を通じて、井田さんを通じて、こういう場に皆さんが参加して、私も、ここにいられることが、本当に素晴らしいことだな、と思います。そういう意味で、井田さんにも本当に感謝してますし、皆様にも感謝してやまない日です。


今日は素晴らしい日になりました。ありがとうございました。

(まみこ)

井田真木子さんと『同性愛者たち』について〜寄稿


■まみこさんの文章

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