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レズビアン&ゲイライフをサポートするNPO法人アカーのWEBマガジン。編集部:「ふじべ・あらし」がお伝えしています。

「定番だけど『私の人生をかえた本』」〜(芙 雪)


『同性愛者たち』について、何人かのメンバーや支援者の方に、文章を寄せていただいているので、QMブログでも紹介していきたいと思います。

最初は、レズビアン会員の芙 雪さんです。



定番だけど私の人生をかえた本

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自分がレズビアンだと気が付いたとき、私の未来はありませんでした。
その時確か、25、6歳。「結婚」の二文字はもともとなかったけど、好きな人と一緒には暮らすだろう、暮らしていけるだろうと漠然と考えていた。



でも、レズビアンだと気が付いたとき、自分はこの世の中でたった一人なんだと思い込んでしまった。「女の子が好きな女なんて私しかいない」と思い込んでしまった。45歳まで働いたら仕事をやめて、尼寺にでも入ろうか、四国巡礼の旅にでも出ようか。そんな風に思い込んでいました。
自分の周りをベルリンの壁よりも厚い壁で囲って、誰とも打ち解けずいつも一人でいました。「自分はこの世の中でたった一人、普通の女じゃないんだから」と・・・。



それから5年くらいして、たまたま立ち寄った本屋の文庫本の新刊売り場でこの『同性愛者たち』が輝いていました。(少なくとも私にはそう見えた)


ふらふらと吸い寄せられるように手にとって、気が付いたら買ってました。
食事をするのも忘れて夢中になって読んでいました。
2日で読み終えて、巻末の電話相談の電話番号に救われました。レズビアンとゲイの番号が載っていたからです。


指定された曜日の時間に電話しました。電話口から女性の声が聞こえたときは涙が出るほど嬉しかった。声が詰まって返事が出来なかったくらいです。
その時の担当の方は気味悪い電話だと思ったでしょうね。夢中になっていたので何を相談したのかは覚えていませんが、「ほかにもいますか?会いたいのですが?どうしたらあえますか?どこに行けばいいですか?」と矢継ぎ早に聞いたと思います。担当の方はあわてずに答えてくれました。
それが「オープンミーティング」です。初日、かばんにあの本を入れてウキウキドキドキで出口を間違えて半泣きで事務所に電話をしていました。



「同性愛者たち」は私の人生をかえました。もう尼寺に行かなくてもいい、四国巡礼の旅に出なくてもいい。定年まで仕事をしても大丈夫。
「私は一人じゃない、仲間がいる。親に縁を切られても、どんなに白い目で見られても、仲間がいる。私は一人じゃない」メガトン級の自信をくれました。その後にあった、リストラも親へのカミングアウトもその自信が支えてくれました。
わたしのバイブルです。

(芙 雪)


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