ノートのその後
先日の記事でもお伝えした、「オリジナルDEATH NOTEをつくろう!」というS.I.P.の企画。
とても興味深かったので、引き続きレポートします。
S.I.P.に参加できるのは、10代から20代前半のLGBTユースたち(レズビアン・ゲイ・バイセクシャル・トランスジェンダー、それからセクシュアリティについて迷い中のユース)。9月16日の企画は、ノートを作成すべく集まったみんなが、3冊の『オリジナル・デスノート』 に書き込んでいく、というもの。
3冊のノート
- 1冊目のノートには、「【妄想】編」 。殺してやりたい奴の名前、またその奴との関係、などを書き込みます。
- 2冊目は、「【願望】編」 。「死ぬならこう死にたい」という貴方の“願望”を書き込むノートです。
- 3冊目は、「【現実】編」 。願望ではなく「どうせこう死ぬんだろうな」というリアルな死に方を予想して書くためのノートです。
で、気になる結果ですが、いまパラパラと3冊のノートをめくっていて、死に対して、どちらかといえば悲観的な回答が多いことに、少し驚きました。
もちろんどの回答にも、ついつい笑ってしまうような、まあ「冗談半分で答えました」という部分が垣間見えて、それはそれで安心できるのだけど、それども、背景に立ち込める「孤独」の気配は、打ち消しがたい。そんな印象持ちました。
いわゆる、誰かに見送られての「大往生」がほとんど見受けられませんでした。たとえば、自分の死に方を想像する項目で「誰もいないマンションで孤独死」とか、理想の死が「自殺」だったり。
予防効果
これだけで、レズビアンゲイのユースの方が、ノンケの若者より、自殺をする傾向にある、なんていうことができないでしょうし、言ってみれば「お遊び企画」を、必要以上に間に受けるのは危険とは思います。
だからといって、セクシャリティ関係なく、「若いときには、死について不健康な想念をもてあそぶものだ」と一般化するのも、これまた、ちょっと違うかな、という気がしました。
そもそもLGBTのユースが、若いから、という理由で、「健康」か?というと、そんなことないと思います。
ゲイやレズビアンに一生懸命なろうとするプロセス自体が、今の社会では、彼ら、彼女らの体や精神に大きな負担をかけているわけで、「ユースとは、そもそも不健康なものである」ということからスタートするのは、決して極論ではないと思います。
そんな「不健全」な精神状態から、チラリとのぞき見たいろいろな死の想念たち。
ずっと先のこととして想像された死がどれだけリアルか、ということはあるけれど、それでも、こういう機会であっても、やはり「死」というものを、チラッとでも、考えてみる機会は、とっても貴重なのではないでしょうか?
こういう集まりがあることで、本物の自殺に至る前の前の前の前の前の前くらいの段階で、自殺予防にも、なっているんじゃないかな、と思います。
▼ユースグループ「S.I.P.」について詳しくコチラ。
http://stopisolationprogram.blog6.fc2.com/
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