レズビアンライフの遅咲き、早咲きとは?〜(イトー・ターリ)
イトー・ターリさん:
レズビアンライフの遅咲き、早咲きとは? ◆中3年の富士登山、山小屋で
「恋人がいるからレズビアンライフを語ることが出来る」というものではない。
私のレズビアンライフがいつからはじまったのかを回想してみると、 中学3年の時に行った富士登山の山小屋での体験ではないかなと思う。
あこがれていた上級生の隣にたまたま(いやそうしたのかも??)横になったとき、触れるか触れないかの微妙な距離に皮膚が触覚になったのを思い出す。
◆自覚はしていなくても、始まっていた
ルルのコマーシャルに嬉々(きき)として、「フォークヴィレッジ」というラジオ番組を子守り歌にし、コンサートに出掛けて行き、佐良直美に同質なものを嗅(か)ぎ分けていたときも、自分がレズビアンというものであると自覚していたわけではないけれど、レズビアンライフは始まっていた。
24歳のころ、好きな女子が居て、相手も気づいていたけれど、私は言い出す事ができずにいたときに、佐良直美の追放事件が起こり、私のセクシャリティが暴露され、内なるホモフォビアが私の心を占領した。
◆31歳の時もすべてレズビアンライフ
31歳の時オランダで初めて告白して、見事にヘテロだからつき合えないと断られ、男の元へ行く彼女に嫉妬を覚え、寂しさに打ちのめされた体験も、すべてレズビアンライフ。
◆もっと早かったら?
もっと早く出会いがあって、恋人とセックスもして恋愛を謳歌(おうか)し、愛を育むことをしていたら、もっと楽しく、実(みのり)のある人生があっただろうに、と思う場面がたくさんあったのは、日常茶飯事。
40歳にしてハッピーな出会いがあって、かけがえのない満ち足りた時間を過ごし、3年後には別れてしまった経験。確かにそれを「遅咲きの幸せ」というのだろうか?
多大なエネルギーを相手に向け、自分自身に向けて咲いた甘い蜜(みつ)は、私に自信を持たせてくれた。
◆今、レズビアンライフを楽しむには?
さっきから筆が進まないのは思い出して、さまざまなシーンがよみがえるからだ。
遅咲きには遅咲きの理由がある。環境のこと、性格のこと、体験のこと。でも早咲きだろうと遅咲きだろうと、自分を受け入れることができたら気持ちが楽になり、さらけ出すことの恐れのバリアを取り除けたときに、パッションが破裂する。
やはり、何となく誘われるままにではパッションは生まれない。
今55歳になってレズビアンライフを楽しむにはどうしたらいいのだろうか?
決めつけず、オープンに、成るように成り、成そうと思えばまた成る。
本当に望めばそのように動く。
自分を叱咤激励(しったげきれい)の日々でもある。
生き延びるために。
(イトー・ターリ)
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