QMblog's blog

レズビアン&ゲイライフをサポートするNPO法人アカーのWEBマガジン。編集部:「ふじべ・あらし」がお伝えしています。

トリノにWBCにW杯〜LGの関わりやいかに?


トリノ冬季オリンピックワールド・ベースボール・クラシックWBC)、
サッカーのワールドカップ(W杯)
と今年はたて続けに世界的スポーツ大会が続いていますね。
スポーツのビッグ・イベントと同性愛の関わりは有りや無しや?

おなじみ、Yanagihashiさんの投稿です。

【非国民?】

 WBCの決勝戦で、密かにキューバの優勝を期待していた筆者は、何人かの人から非国民(笑)とのお言葉をいただきました。それでは、同性愛者の立場から、国際大会で応援をするならばどこの国を応援するのが理にかなっているのでしょうか? 確かにその視点からするとキューバを応援するのが適切かといえば疑問符がつくところですが、私たちレズビアン、ゲイの存在を無視し続けている日本を応援するのもなんかなぁ(あの「国旗」が、アナルを使った愛の交歓の際の出血の跡だと考えてみると、多様なセックスのあり方を肯定した同性愛者の象徴として使えるかもというのは非国民的解釈だろうし、それなら、軍隊での同性愛者への対応を改善しようとし始めた韓国の方がましかなぁ?)。



【過去を振り返って】


スポーツと政治とを絡めて考えるべきではないとの意見もあるでしょうが、今年のW杯開催国のドイツでは、かつてナチス政権時代にユダヤ人排斥をしてきた歴史を、サッカーの分野においても検証する作業が続いているようです。ドイツのホロコーストでは、ユダヤ人だけではなく、同性愛者も大量に虐殺されてきた過去があります。当時、オープンL/Gのサッカー選手がいたとは思えませんが、過去に学ぶ姿勢は、現在、そのような選手が出てきた場合になんらかのよい影響を与えるのではないでしょうか。


日本では、ほとんど報道されることもありませんが、あの商業主義の権化のようになっているオリンピックですら、一応、大会期間中は戦争をやめるように呼びかけているのです(もち論、アフガニスタンやイラクにおいて内戦状態を激化させるだけの存在になっているアメリカ連合軍に参加している国々にはなんら効果ある呼びかけをしていない偽善的行為だとの批判は正論でしょう)。

また、かつてアパルトヘイトを実施していた間、南アフリカは国際スポーツ大会から締め出されてきたことが、それなりに意味をもっていたということも考慮していいでしょう。

【スポーツは文化】

スポーツというのは、私たちが生きていくうえで必要不可欠とはいえませんが、人生を豊かにしていくためには重要な文化の一部だと考えるならば、私たちも、同性愛者の立場から、どうしたら、勝った、負けた、感動した(いい男/女だった?)、だけではなく、それに楽しく参加していくことができるのか想像力をはたらかせていろいろ考えながらスポーツをみていくと、無視できない存在としての同性愛者の姿が浮かび上がってくる事態を招きよせるためにボディ・ブローのような効果が期待できるかもしれません。永らく、国別対抗戦のような国際ポーツ大会に興味を失っていた筆者もW杯は観てやってもいいぞという気になってきました(笑)。(Yanagihashi)