QMblog's blog

レズビアン&ゲイライフをサポートするNPO法人アカーのWEBマガジン。編集部:「ふじべ・あらし」がお伝えしています。

【テーマ】井田真木子著『同性愛者たち』

本木雅弘と井田真木子

『AERA』誌(1992年10月6日号)の「現代の肖像」のコーナーより: 李*1は、撮影の後半で、本木がこう尋ねたことを記憶している。「李さん、僕のことゲイだと思ってるでしょう?」美少年アイドルとして出発した彼は、以前からその噂が根強かった。李がたじろ…

井田真木子さんのお墓参り

木蓮の花咲く、3月のとある日曜日。新宿二丁目にも程近い四谷の東長寺へ有志でお墓参りに行って参りました。東長寺には、ノンフィクション『同性愛者たち』の作者でもあった故・井田真木子さんが眠っています。コミュニティ・メモリアル・サービスの担当でも…

「ジョージ・チョイについて思うこと」(1/3)〜(しんじ)

――身と心と精神をエイズに蝕まれ、徐々に壊れていくひとりのアジア系ゲイの姿を、克明に、そして、冷血に井田真木子の筆は書き進めていく。「酷すぎる。こんな描き方ってないんじゃないだろうか? 真意が理解できない」。当時は、そう思った。そして2007年9…

「ジョージ・チョイについて思うこと」(3/3)

「ジョージ・チョイについて思うこと」(3/3) 僕の知るジョージは、社交的で、情熱にあふれ、とても優しかった。 1992年、アカーでサンフランシスコに行った時、皆が市議会でトム・アミアーノに遭遇したり観光に出かけたりした興奮の日、僕だけ風邪で一人…

「ジョージ・チョイについて思うこと」(2/3)

「ジョージ・チョイについて思うこと」(2/3) そして、今回本書の著者である井田真木子さんの追悼にあたり久々に再読し、また、メモリアル・サービスでの映像、アカー会員との会話を通して、本書における彼の描き方についての受け止め方が変わっている自分…

「同性愛者たちと井田さん、そして私」〜(語り:まみこ)

「同性愛者たちと井田さん、そして私」(語り:まみこ) ◆ほとんど面識のなかった井田さん 皆さま。本日、雨の中、ほんとうにご苦労さまです。 スピーチの依頼を頂いたのが、先日の夜で、なにも考えていないのが、正直なところなのですが、実は私、井田さん…

「井田真木子ならどう書くか?」〜(文:ただし)

井田真木子ならどう書くか?(語り:ただし) 「恐い人」 ありていに言って、僕自身の井田さんの印象というのは、「恐い人」でした。 「恐い人」と、一番印象付けられた出来事はなんと言っても、最初の二人だけの本格的なインタビューのときでした。アパート…

「井田さんの思い出」〜特別スピーチ〜

――1991年に井田真木子さんが、アカーのことを知り、『同性愛者たち』という一冊の作品を完成させていく道筋には、当会のさまざま人たちとの関わりがありました。 Tadashiさんは、メインで取材された7人のゲイのうちの一人です。まみこさんは、当時のアカーの…

「1993年6月ベルリン」〜井田真木子と私

「1993年6月ベルリン」〜井田真木子と私 (文:菅原智雄) 1993年6月、ベルリンでの国際エイズ会議 あのような文章の力がどこでどう作られるのか? 井田さんは読む者にその情景がすぐさま立ち上がるような迫力で、居合わせた出来事を描ききっている。 アカー…

「意志のある風景」〜井田真木子と私(のぐち)

意志のある風景〜井田真木子と私〜のぐち・てるこ 井田さんの著作『同性愛者たち』の中で、井田さんとアカーとの出会いは91年2月のあるTVニュース、と記されている。アカーが東京都を相手に起こした損害賠償裁判、「府中青年の家裁判」の提訴の報道だった…

「1992年12月サンフランシスコ」〜井田真木子と私(文:大石)

1992年12月サンフランシスコ〜大石敏寛 92年12月、サンフランシスコのジョージのもとへ(井田さんと)二人で出掛けました。 病状の進行しているジョージの姿に自分の気持ちは沈みきってしまった。ジョージの元を去った後、僕は、ただ悲しむだけで、それ以外…

「彼女が立ち向かったもの」〜井田真木子と私(NH)

彼女が立ち向かったもの(NH、2001年) 享年44歳にして何故、旅立ったのか? 事故や病死、自死でもなく。告別式の別れ際に見つめた死顔をみて実感した。献花に埋れた小柄な痛々しい遺体からも、それは完全にリアルだった。やはり彼女は戦死した、のだと。 『…

「井田さんの本に寄せて」〜(文:Kimiyo)

井田さんの本に寄せて 井田さんが、亡くなられて、もう六年になるのですね。 十二年前息子のカミングアウトの後そっと渡された何冊かの本の中に、井田さんの『同性愛者たち』がありました。 プロローグから始まる本の内容は、まさに息子が悩みぬいてアカーに…

「10年を経て」〜井田真木子と私(Hitoshi)

10年を経て〜井田真木子 と私 『同性愛者たち』を初めて拝読したのは、10年くらい前になると思います。 新宿2丁目にあった薔薇の文庫本センターというお店で買ったように覚えています。新宿2丁目を訪れて間もない頃で、自分以外にも同性愛者がいることを実…

「定番だけど『私の人生をかえた本』」〜(芙 雪)

『同性愛者たち』について、何人かのメンバーや支援者の方に、文章を寄せていただいているので、QMブログでも紹介していきたいと思います。最初は、レズビアン会員の芙 雪さんです。 定番だけど私の人生をかえた本 自分がレズビアンだと気が付いたとき、私…

「井田真木子と『同性愛者たち』」

『QMblog』では、今日から数回にわたって、アカーのメンバーを追ったノンフィクション『同性愛者たち』(文藝春秋社)と、その著者、故・井田真木子さん*1についての記事を投稿します。これは、近日発行される『QM』紙面版からの先行掲載になります。 「…